内容説明
その見事に統制された社会性と緻密な巣づくり、そして蜂蜜によって、はるか昔から人類を魅了してきたミツバチ。
人類は、ミツバチを養蜂するのみならず、様々な文化において、ミツバチから発想を得たものを多く生み出した。
本書は、ミツバチの生態に迫りながら、人類史におけるミツバチの重要性を明らかにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
43
セイヨウミツバチという昆虫が人類に与えてきた大きな影響にただただ圧倒されます。そして自分だけでなく数多くの先人たちみ魅了されてきました。時も場所も超えて同志の情熱を共有した気持ちになりました。こういう本をニホンミツバチで作りたいな。2022/06/11
Toshi
16
人類が養蜂を始めて4500年。人類はミツバチの社会性に宗教的、政治的な規範を見出し、また思想家や作家は思索や表現の対象としてきた。動物行動学や生態学の観点から描かれることが多いミツバチであるが、この本はタイトルどおり、ミツバチと文明の関わりについて、宗教、政治、経済、思想、文化、芸術と、実に様々な分野を網羅しつつ描いている。それでいて内容は平易、図版、画像も豊富で、楽しく読める一冊。2022/05/14
とろりんとう
3
お気に入りの方が読んだ本。最近、都会での養蜂が話題に上がっていたので、興味を持った。養蜂の古い歴史、その研究、そして、人間との関わりの深さが宗教、芸術、科学、政治にまで影響した。ミツバチを多方面に渡って記述している点が良いところだが、もっと生物学的な考察があっても良かった。2022/06/06
retro
2
ミツバチと人類がどう関わってきたのか,ミツバチが人類の歴史にどんな役割を果たしてきたのか,どんな役割を演じさせられてきたのかを,宗教,文学,政治などの面から論じた本。ミツバチは有史以前から人類と付き合いがあったけれど,品種改良などはほとんど行われず,ミツバチはずっとミツバチのままだ。時代と共に変わっていったのは人間のほう。ミツバチはハチミツ生産者として,花粉媒介者として便利に利用されているが,さらに時代の要請に応じて,何かの象徴として,寓意として,そして,環境問題の旗印としてとらえられている。 2021/07/01
てつこ
1
ミツバチの生態と人間の文化に与えた影響をまとめたもの。西洋の古代の伝承をみるとミツバチは雄弁、隠棲、哲学などのイメージで人々に認識されていた。蜂蜜は古くから利用され養蜂も盛んに行われてミツバチは人類の生活に欠かせないものとして扱われ、宗教や芸術、政治にまでモチーフとして取り入れられる。なかなか興味深い内容で養蜂史についても知りたくなった。2023/07/22