内容説明
階段だらけの屋敷に隠された伯爵家の宝と,その宝を探す資格があるために屋敷にとらわれている男の子――.伯爵家の秘密を知った新米教師フランス先生は,さだめか,はたまた偶然か,予言の指し示すまま,奇妙な冒険をすることになります.どんどん謎にひきこまれる,読みごたえたっぷりの物語.
目次
第6章 フランス先生、階段屋敷に足を踏み入れる┴フランス先生、ハイロイシ伯爵と知りあう┴フランス先生、ヤン・トゥーレルーレとけんかする┴フランス先生、ヘールト-ヤンに最初の授業をする┴イワンはどこにいるのかな?┴フランス先生、封印された文書についてさらに聞く┴フランス先生、〈のどのかわいたシカ〉でトランプをする┴第7章 予言はどうやって実現するのだろうか?┴フランス先生、家庭教師から宝探しになる┴フランス先生、授業をし、命をかける┴フランス先生はきのこを探して、きのこを見つけるが、イワンはべつのものを見つける┴フランス先生、誕生パーティーの準備をする┴フランス先生、みどりの髪にびっくり仰天┴フランス先生、長いはしごにのぼり……パーティーがはじまる┴フランス先生、パーティーのさわぎにとびこみ、階段屋敷に歌が響きわたる┴作者トンケ・ドラフトから読者への手紙 二〇一〇年┴訳者あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たつや
46
昔のわらべ歌をヒントに、書かれたそうです。もしかしたら、大戦中に収容所に入れられていた作者の経験がメッセージとして隠されていたかも知れませんが、ついに見つけられなかった。つまり、違う?2017/04/25
北風
10
ファンタジーではないけれど、ちゃんと児童向けのミステリに仕上がっていると思う。予言に踊らされないぞと頑張るフランス先生だけど、赤毛のフランスは予言を信じちゃう。そんな主人公に対比するように、二重人格(?)の少年がいたり、雷帝の黒猫がいたりする。ちょっとファンタジーのようで、ちゃんと現実の中で伏線が回収されているところは好感が持てる。もう、赤毛のフランスは冒険には出ないんだろうか?2020/11/23
topo
8
森の奥深く佇む伯爵家の階段屋敷に伝わる古い宝探しの予言。ひょんなことから物語好きの教師が宝探しに巻き込まれていくお話。古いオランダのかぞえ歌に着想を得たという本作。章立ても展開も歌詞に沿って描かれ、冒険譚としても謎解きとしても楽しかった。上巻は少し読みにくさを感じたものの、下巻に入ってからは一気読みでした。2020/07/26
kaze
5
★★☆ タイトル借り。トンケ・ドラフトのファンタジーには外れがないなぁ。オランダに伝わる七つのわかれ道のわらべ歌から着想した物語だそうで、数え歌を構成に取り入れているところや、謎解きの肝にもなっているところなど、巧みだなぁ。七つの分かれ道を通ってたどりつく奇妙な階段屋敷には伯爵家の宝が隠されている。宝を見つける場面が痛快で良かった。2013/01/28
ワッピー
5
ついに姿を現した階段屋敷と伯爵、そして宝探しのカギを握る屋敷の相続人ヘールト-ヤン。家庭教師として雇われたフランス先生は外出も許されないヤンに同情し、学校の子供たちからの手紙を手渡し・・誕生日のクライマックスへ。秘密の仲間の一人トゥホムティドムさんには相当イライラしますが、イワンには全面降伏です。2012/11/10