岩波ジュニア新書<br> 恋の歌、恋の物語 - 日本古典を読む楽しみ

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岩波ジュニア新書
恋の歌、恋の物語 - 日本古典を読む楽しみ

  • 著者名:林望
  • 価格 ¥858(本体¥780)
  • 岩波書店(2021/01発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784005003983

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内容説明

「ずっと君のコト想ってる」,「好きでたまらない」….携帯やeメールなど無かった時代,「歌」は恋する人への想いを伝えるための「装置」でした.おなじみリンボウ先生が,恋をテーマに『万葉集』『古今集』『伊勢物語』『源氏物語』など,日本の古典の魅力を縦横に解説,難しいはずの古典がグーンと身近になる絶好の1冊です.

目次

序章 何が好きって「恋」が好き┴「恋」こそは日本文学の伝統┴『古事記』の国産み神話┴「恋」の手順は男が先┴「恋」はわが農耕民族のエネルギー┴「うたがき」と「かがひ」┴『好色一代男』に描かれた「大原の雑魚寝」┴「恋」の暗黙のルール┴第1章 『万葉集』は正直だ┴『万葉集』の恋の歌┴額田王と大海人皇子の歌┴「あかねさす」の歌は、宴席での「戯れ歌」だった┴袖を振るのは、恋を確実なものにする呪術┴中臣宅守と狭野茅上娘子の歌┴昔の「色好み」はよく泣いた┴男が通うか女が通うか┴『万葉集』のナンセンス・ソング┴「挽歌」もまた恋の歌の一変型だった┴大伴家持の、亡き妻を偲ぶ歌┴第2章 『古今和歌集』の情緒纏綿┴『古今和歌集』の構成┴和歌は「恋を歌う装置」だった┴「正述心緒」と「寄物陳思」┴和歌は本来、声に出して朗々と歌った┴きぬぎぬの別れ┴伊勢と敦慶親王の秘められた恋┴「涙の象徴」としての袖┴第3章 『新古今和歌集』のエロス┴『新古今和歌集』のうっとりする「エロス」┴藤原定家の絶唱┴第4章 『伊勢物語』はなぜ読まれたか┴『伊勢物語』は恋の教科書だった┴『伊勢物語』のパロディ『仁勢物語』┴西鶴も『伊勢物語』を下敷きにした┴第5章 『源氏物語』は奇跡である┴『源氏物語』は、恋の文学の最高峰┴罪深い恋の悩み┴光源氏のアヴァンチュール┴右大臣のあきれた態度┴貴種流離譚の系譜┴柏木と女三の宮の密会┴源氏の影と柏木┴柏木必死のかき口説き┴柏木の一大決心┴柏木の目に映った女三の宮は…┴夢の中の猫の意味するもの┴柏木と女三の宮の密会の夜が明けて┴恋の悲しい結末┴第6章 『平家物語』の「もののあはれ」┴日本語としての美しさ┴祇王・祇女と佛御前┴佛御前の健気な覚悟┴『平家物語』は「あはれ」の物語┴あとがきに代えて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

花実

10
リンボウ先生著で、とても読みやい。『古事記』『伊勢物語』『源氏物語』『古今和歌集』などから、恋にまつわる話を取り上げて、日本古典はこんな風に味わうと、こんなに魅力的なんですよ~と伝えてくれる。。「日本文学から恋を抜いたらスカスカなもの」なんだそう。そう言われてみるとそう思えてくる。いつも古典文学関係の著作に触れるときに思うことを今回も思った。「源氏物語」を読まないといけないなと。2013/10/09

ひよピパパ

7
リンボウ先生が日本古典の中から「恋」にまつわる歌や物語をピックアップして楽しく語りかけてくれる。教科書所載の有名な作品も取り上げられていて、わかりやすく、読んでいて楽しかった。特に興味深かったのは、「袖」のもつ意味合いの変質についてである。『万葉集』に度々出てくる、魂を交換し合う呪術的行為としての「袖」を振り合う動作が、やがて『古今集』の時代には「涙の象徴」としてその意味を変質させていったという。恋する「思い」は変わらぬものの、そのあらわれ方が時代の移り変わりとともに変遷していくことの面白さを感じた。2020/04/01

さっきぃ

5
面白かったー。恋が面白くてならぬ、と言い切って古典の恋について面白く解説してくれている。これほどわかりやすく面白く話してくれるなら古典をもっと読んでみたくなる。伊勢物語、平家物語をちゃんと読んでみたくなった。源氏物語は一度読んだことがあるけれど、この本を読んでみると改めてなんて面白い話なのか、ともう一度読んでみたくなる。日本の歴史というか文化というか、こういう世界はすごいなー。この著者の他のも読んでみたい。2018/08/23

みあき

3
なかなか難しかったです;;柏木の印象が思いっきり変わりました。女三の宮は本当に女性として未熟で幼稚な方だったんですね・・・2012/05/18

sumie

3
楽しく読めました。学生のころにこんな風にとらえられていたら、古典も楽しかったんだろうけど、その頃の私には今と同じようにはかんじられなかっただろうし、理解できそうもないか・・・。年の功かも。2010/08/12

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