内容説明
数学,医学,化学,農学,薬学,生物など理系の専門分野で活躍する女性科学者11人による研究案内.それぞれの研究内容やその魅力を余すところなく伝えると共に,どのようにして進路を決め,今があるのかについても語ります.時に迷い,回り道をしながらもまい進していく姿に元気や生きるヒントももらえます.
目次
はじめに┴思ってもみなかった理系の道へ 植物分類学,植物生態学(西田佐知子)┴医学研究の道 ミクロの世界から生命の神秘と病気の原因に迫る旅 医学(細谷紀子)┴今日も楽しく暗号研究しています! 現代暗号理論 尾形わかは┴Curiosity makes you smarter! 環境衛生科学(加藤嘉代子)┴急がば回れ 紆余曲折の中で得たもの 触媒化学,固体化学,放射光分光学(吉田朋子)┴天然物化学からマラリア研究へ 研究者であり続けること ケミカルバイオロジー,マラリア研究(加藤(坂田)知世)┴きっかけはいつでもどこでも 数値解析(石渡恵美子)┴植物の形づくりに魅せられて 分子生物学(小島晶子)┴“データサイエンス”で未来をつくる マーケティング,データサイエンス(芳賀麻誉美)┴「地球化学」と歩む 地球化学(南雅代)┴自由な数学の世界へ 代数幾何学(伊藤由佳理)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
著者の生き様を学ぶ庵さん
38
理系女子(リケジョ)11人の生き方。困難とか、社会の壁とか、この人達には関係ないですよ。壁があれば、よじ登るか、かわすか、穴をあけるか、何らかの方法で進むでしょう。リケジョを目指すわが娘への応援歌となればいいかな。同じ岩波ジュニア新書の『理系女子的生き方のススメ』と内容が重複するかもしれません。2017/03/05
かもめ通信
19
「科学道100刷2019」の1冊。進路を考える10代半ばの、とりわけ理系に興味を持つ女子に向けて編集されている本で、執筆者はちょうど中高生のお母さんと同年代、大学や公共研究機関で働いている理系の女性研究者11人だ。昨今話題の医学部入試問題をみても、女子が理系に進むのは、男子のそれよりずっと険しい道のりかもしれないが、男女の別なく多くの若者が自分の興味関心のある分野にまっすぐ進んでいける世の中であって欲しいし、そういう世の中にしていく責任が、大人にはあるなあとあらためて思わされる1冊でもあった。2020/03/13
しんすけ
15
理工学の分野で指導的な立場で現在も活躍している11人の女性が書いたエセー集。 辞任が決まった会長にぜひ読んでもらいたい気がするが、間違って作業内容が理解できても研究者たちの心意気までは理解できないと確信する。 11人全てのエセーが興味深い内容だが特に下記の3人のものは面白く読むことができた。 尾形わかば(現代暗号理論) 石渡恵美子(数値解析) 芳賀麻誉美(データサイエンス) 正直な話、ぼく自身が関係したものに近いから理解しやすかっただけかもしれない。2021/02/12
phmchb
6
11人の女性研究者がそれぞれどのように進路を選び研究者になったか、現在の仕事の内容などを紹介した書。これからの進路を考えている中高生向け。 2017/03/22
I.T
5
科学者全員が、自分の仕事にやりがいを感じ、誇りをもって働いていることに、尊敬の念を抱いた。自分もこんな気持ちで将来、仕事についてみたい。2018/04/25