内容説明
あの夏が終わるとき、ぼくらの青春も終わる
夏でも秋でもない今、夏が終わる瞬間。ぼくたちの引きのばされた青春も終ったのだろうか――モーテル0467は江の島を望む七里ヶ浜の丘にある。本当の名前は「七里ヶ浜ホテル」。祐介が、亡くなった父の後を継いでこのホテルの支配人になった頃、古い洋館の看板は剥げ落ちて、残されたのはHOTELの文字と0467-22-○○○○という電話番号だけだった。しかも、Hの文字はMと見分けがつかない。以来、ここは、「モーテル0467」と呼ばれるようになった。
祐介の”恋人未満”の同級生洋子、姉の七里、飲み仲間の俊也と健太、バーの主人・徹。そして長期滞在者の梅ばあさんに、ある日突然飛び込んできたハワイ帰りのおっさん竜二、家出してきた美女・詩織。どこかわけありな人たちを、湘南の四季を背景に生き生きと描いた傑作長篇小説。
解説は小説家の亀和田武さん。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aoringo
73
主人公は七里ヶ浜にあるホテルの名ばかり支配人。若者と中年の間のような彼らのゆるゆるした生活。夜になると馴染みのバーでこれまたゆるゆると飲み明かす。淡々とお話は続くが地元目線からの鎌倉はほっとするような落ち着きがあって、ゆっくりと時が流れている。人生になんの欲もない彼らの生き方が、何だか無性にうらやましかった。2020/01/26
アイシャ
21
鎌倉好きの私は楽しく読めた。七里ヶ浜にある小さなホテルの支配人をしている祐介を中心に、鎌倉に住む人々の生活やホテルの宿泊者たちの人生の一部分が語られる。ガツガツとしたところの無い主人公や友人たちの生活は本当に羨ましいし、老舗のお店の情報もたくさんあって面白い。30歳を手前にした祐介が自分を若くないと言っているところは若さゆえかな。35歳の人を中年という感覚も若いな~。とりとめのないお話だけれど、鎌倉在住の作者ならではのお話だと思う。2020/03/01
みか
2
朝靄がかかっている雰囲気 私のイメージの鎌倉。 この本にその雰囲気を感じた。 新しいことと古いことが内包する場所。それが鎌倉なのかな。2019/12/28
おみかん
2
寄せては返す波の様な小説。 それぞれの人生があって 鎌倉はその全てを見守ってくれている気がする。 鎌倉は全てを包んでくれる場所のよう。 何か特別なことが起こるわけではないけれど 穏やかに読める本でした。2019/12/28
N・Toshi
2
鎌倉を舞台にしているが、お洒落なイメージは排除して地元の人たちの日常を描くのだが、やっぱりあの辺に住む心地よさが漂ってしまう。湘南に住むのが憧れな私としてはうらやましい生活。祐介が思うほど詩織はいい女じゃないよな。洋子や七里の方がよっぽどいいと思う。梅ばあさんのような老後をおくりたい。2014/04/11
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