内容説明
人気沸騰のバイク、ホンダ・スーパーカブ。カブとひとり娘をこよなく愛するオジサン探偵の周りで、今日も事件が巻き起こる!
南原圭吾は妻を亡くし年頃の娘がひとり。地方都市の私立探偵だが、実体は町の便利屋。盗まれた車やバイクを捜索したり、ホンダのカブに詳しいことから貴重なパーツ探しを頼まれることも。溺愛する娘には弱いが喧嘩は強い。愛車は古いカブ90から先代型のスーパーカブ110に乗り換えた。娘の梨奈はこの春大学に進学し新型クロスカブに乗っている。ある日幼なじみのヤクザから盗難車の捜索を依頼され…。人気のカブ談義満載のバイク探偵小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みかん🍊
87
大学生の娘と二人暮らし、背広姿でカブに乗る探偵が地方都市で生きていく、初読みの作家さんですがバイクやカブが好きな人には面白いかもだが、バイクには乗らないしそこまで詳しくないので、カブやバイクの蘊蓄はさらっと流した、盗難車や家出娘を探し一人娘を溺愛するカブ探偵の毎日。2021/06/21
goro@the_booby
43
バイク熱が再燃。熱を冷ますためバイク小説を読むのだが火に油を注ぐだけでありました。カブに乗って活躍するオヤジ探偵は娘の素行にもハラハラしながら地元仲間からの依頼をこなしてゆく。カブの魅力満載でサクサク楽しめる。これは続きも期待したい。カブ欲しいなぁ~。いいよね~。2025/07/17
かんけー
25
読了♪スーパーカブのオーナーの事をカブ主と云うらしい(^_^;)wそれはさておき?これはカブ主探偵略して「カブ探」の物語。冒頭、ホンダ創業者本田宗一郎氏の格言からの~(⌒‐⌒)♪作者ホンダ好きやなと。主人公南原圭吾は意外と顔が広い私立探偵だ?ヤクザの若頭と馴染みだったり組長の愛人と同級だったりと、車の窃盗犯の探索で窃盗団の掃討でも情報共有化し?しかして愛娘の動向に一喜一憂するフツーの親父だったり(^_^;)そこかそこにカブが登場して楽しい(^.^)父と娘の再生物語ともとれるし?一人の男の半生記とも解釈→2021/01/24
サケ太
20
苦みとある種の痛快さがある新しい探偵小説。カブを運転し、依頼を果たす南原圭吾。娘に弱く、悪には強い。カブを愛し、街を駆けるその姿は、娘の視点もあり、情けない部分がありながらも格好良さがある。妻との交流や別れ、物事は変化する、人は老いる。同じところには居られない。だからこそ足掻き、進む。苦い過去、泥臭く、様々なしがらみを持つ男の走る背中はこうも格好良いものか。『──想い出の品は、買い足すことができるのではないか?』2021/01/21
barcarola
9
妙にインパクトのあるカバーイラスト。で、カブを駆るオッサン探偵の謎解き物語ではなく、探偵自身の人生の物語。共感できる部分も多く、カブ(に限らずバイク全般)に詳しくないのだがそれでも場面場面が実に楽しかった。2023/06/04