講談社学術文庫<br> 貞観政要 全訳注

個数:1
紙書籍版価格
¥2,541
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

講談社学術文庫
貞観政要 全訳注

  • 著者名:呉兢【編】/石見清裕【訳】
  • 価格 ¥2,530(本体¥2,300)
  • 講談社(2021/01発売)
  • 3月の締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~3/31)
  • ポイント 690pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065219126

ファイル: /

内容説明

1300年以上読まれた「統治の教科書」不朽の古典、全文完全新訳。
とても読みやすい平明な訳文と、背景となる歴史がよくわかる解説でおくる、決定版!

□よき君主は諫言に傾聴する□
唐王朝(618-907年)の第二代皇帝にして、王朝の最盛と謳われる七世紀「貞観の治」をなした皇帝・太宗が、広大な版図を治め、王朝を栄えさせるために、臣下と議論を交わし、ときには痛烈な諫言を受け入れた様を描いたのが、この『貞観政要』全十巻四十篇です。

「私の非が明らかにならない理由は、官僚たちが従順で、皇帝の機嫌を損うのを憚かっているためだろうか。そうならないように、私は虚心に外からの忠告を求め、迷いを払いのけて反省しているのである。言われてそれを用いないのであれば、その責任を私は甘んじて受け入れよう。しかし、用いようとしているのにそれを言わないのは、いったい誰の責任であるか。今後は、各自が誠意を尽くせ。もし私に非があれば、直言して決して隠さないように」(本書 巻二「任賢」より)

□「人の上に立つ者」のために書かれた□
太宗が死して60年余が過ぎ、国史編纂に携わる歴史家の呉兢によって編纂されたこの書物は、唐王朝が変革のときを迎えようとする時代にあって、貞観の治世を手本とするよう、当時の皇帝に上進されたものでした。

□日本人も古代から読み継いだ□
平安時代の日本にも伝わると、以来江戸時代を経て現代に至るまで、統治者の心構えを説く必読書として読まれ続けてきました。
徳川家康も明治天皇も読んだと言われる、「主君のための教科書」です。

□ビジネスの智恵として□
現代にも通じる、人材育成、組織統治、コミュニケーション術の要諦を説く一冊として注目されています。

□歴史学の眼で「全文」を読み解く□
『貞観政要』が描くのは「理想の君主」像だけではありません。
長く皇帝の座にあった太宗は、やがて怒りやすくなり、傲慢で贅沢になり、直言を嫌がるようにもなっていきます。
・なぜ編者・呉兢は、そのようなことまで記したのか
・唐王朝はいかなる歴史の中で築かれたか
・実像の皇帝・太宗はどのような人物であったか
歴史学者ならではの鋭い分析とわかりやすい解説で、本書の「本当の意義」を読み取ることができます。

【本書は訳し下ろしです】

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kawasaki

14
訳注者は歴史学者であり、「古典」として対する文学(漢学)系統の人とはまた違うアプローチをおこなっている、という。自省する名君と諫言する名臣たちの理想的なやりとりの記録、というのが『貞観政要』の一般的イメージではあるのだろうけれど、「名君たらんとして励んだけれども、それでも結局うまくいかなった部分の多い太宗」の姿をもある意味残酷に書き記し、それをもって後の君主の鑑としようという、緊張感に満ちた著作であったのだなと思う。そうした「人間味」が、時代を越えて読み継がれる古典たる所以かな。2021/08/04

qwer0987

12
唐の太宗に対する諫言を記した書で、上に立つ者の心構えを伝えるような内容だ。そのいくつかは興味深く、個人的には、部下の忠言に対しては表情をやわらげて聞く方が良いという話は参考になる。そのように下の意見に耳を傾け、良い政治を志す姿は君主の鑑だ。しかしその太宗も晩年は諫言に耳を貸さなくなり、贅沢にふけり、嘲弄していた煬帝と同じ轍を踏むようになる。若いうちは高邁な理想に燃えていても、権力の座に居続けることで楽に流され傲慢になる。諫言録としてだけでなく、そんな反面教師の書としても読みごたえがあった。2022/03/06

かみかみ

10
唐の二代皇帝太宗と彼に仕えた群臣たちの言行録。テーマは政治、人事、学問、皇太子の教育など多岐に亘っているが主に君主や臣下の在り方について多くの紙面を割いている。読むまでは君主の心構えについてがメインテーマと思っていただけに、君主の過ちを諫めて正す臣下の役割が幾度も強調されていた点に発見があった。また、名君と謳われた太宗も次第に初心を失って諫言を嫌がったり、高句麗遠征や奢侈に走ろうしたりするなど綻びが見えている点に彼の人間味と名君であり続けることの難しさを感じた。2021/07/12

BIN

9
電子書籍なのでボリュームをちゃんと確認してなかったが、全訳注なので目茶苦茶長かった。唐の太宗の言行録であるが、主に魏徴らの進言、諫言録です。政治家志す人とかはその精神を学んでほしいところではあるとは思うが当然今の政治家は読んでないよなとは思う。歴史家の訳なので色々歴史的な解説があって歴史好きには良かった。2023/12/29

ゆうきなかもと

7
すべてトイレで読みました。いわゆる三上ですね。厠上ということです。読んでいて続日本紀を思い出しました。続日本紀での例えば、聖武天皇など必死なのです。名君であろうと、民衆思いの君主たろうと。その源流を見たような気がしました。出自が、異民族の子孫というコンプレックス故か、道徳的になろうとするモチベーションが高いという説もありますが、あまりにも若くして成功した故のビビリもあったのかな。ビジネスリーダーが読むべき一冊みたいな扱いも受けるが、ともかく、「部下の話を聴く」そして「受け入れる」のがその意味で大切2023/07/26

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/17178634
  • ご注意事項