講談社学術文庫<br> 貞観政要 全訳注

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講談社学術文庫
貞観政要 全訳注

  • 著者名:呉兢【編】/石見清裕【訳】
  • 価格 ¥2,530(本体¥2,300)
  • 講談社(2021/01発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 690pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065219126

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内容説明

1300年以上読まれた「統治の教科書」不朽の古典、全文完全新訳。
とても読みやすい平明な訳文と、背景となる歴史がよくわかる解説でおくる、決定版!

□よき君主は諫言に傾聴する□
唐王朝(618-907年)の第二代皇帝にして、王朝の最盛と謳われる七世紀「貞観の治」をなした皇帝・太宗が、広大な版図を治め、王朝を栄えさせるために、臣下と議論を交わし、ときには痛烈な諫言を受け入れた様を描いたのが、この『貞観政要』全十巻四十篇です。

「私の非が明らかにならない理由は、官僚たちが従順で、皇帝の機嫌を損うのを憚かっているためだろうか。そうならないように、私は虚心に外からの忠告を求め、迷いを払いのけて反省しているのである。言われてそれを用いないのであれば、その責任を私は甘んじて受け入れよう。しかし、用いようとしているのにそれを言わないのは、いったい誰の責任であるか。今後は、各自が誠意を尽くせ。もし私に非があれば、直言して決して隠さないように」(本書 巻二「任賢」より)

□「人の上に立つ者」のために書かれた□
太宗が死して60年余が過ぎ、国史編纂に携わる歴史家の呉兢によって編纂されたこの書物は、唐王朝が変革のときを迎えようとする時代にあって、貞観の治世を手本とするよう、当時の皇帝に上進されたものでした。

□日本人も古代から読み継いだ□
平安時代の日本にも伝わると、以来江戸時代を経て現代に至るまで、統治者の心構えを説く必読書として読まれ続けてきました。
徳川家康も明治天皇も読んだと言われる、「主君のための教科書」です。

□ビジネスの智恵として□
現代にも通じる、人材育成、組織統治、コミュニケーション術の要諦を説く一冊として注目されています。

□歴史学の眼で「全文」を読み解く□
『貞観政要』が描くのは「理想の君主」像だけではありません。
長く皇帝の座にあった太宗は、やがて怒りやすくなり、傲慢で贅沢になり、直言を嫌がるようにもなっていきます。
・なぜ編者・呉兢は、そのようなことまで記したのか
・唐王朝はいかなる歴史の中で築かれたか
・実像の皇帝・太宗はどのような人物であったか
歴史学者ならではの鋭い分析とわかりやすい解説で、本書の「本当の意義」を読み取ることができます。

【本書は訳し下ろしです】

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ロビン

19
「貞観の治」で知られる唐の太宗・李世民と腹心の部下たちとの議論をはじめ詔勅、臣下の上奏文も含めた全訳版。日蓮大聖人も読まれた名高い古典である。太宗が皇帝になって最初の頃は、民衆によく気を配り、臣下からの諫言を喜んで聞いていたのだが、年月を経るとともに贅沢をしたり狩猟に耽ったり、諫言を疎ましがる様子が見られたりするようになる。師匠が「本当に偉い人間とは若き日の誓いを貫き通せる人」と言われていたが、忍び寄る慢心や油断を排し、初志を貫徹する難しさを痛感した。全編通してズバズバ諫言していた魏徴は本当偉い人である。2025/02/20

tonnura007

19
唐の皇帝・太宗が臣下とのやり取りを描いた言行録。「創業守成」は有名で教科書でもよく取り上げられている。多くの為政者たちが本書で学んだとされており、特に徳川家康や明治天皇の愛読書ということは有名。 太宗が優れているのは、臣下の諫言を聞き入れ自らの過ちを修正できることだと思っていた。が、貞観10年以降の記述では、自らが避難していた隋の煬帝と同じような振る舞いも多い。初心を忘れて現状に慣れると傲慢になってしまう。まさに創業守成である。 読破に半年以上かかったが、抜粋引用したビジネス書とは違い太宗の弱点もわかる。2024/07/24

kawasaki

15
訳注者は歴史学者であり、「古典」として対する文学(漢学)系統の人とはまた違うアプローチをおこなっている、という。自省する名君と諫言する名臣たちの理想的なやりとりの記録、というのが『貞観政要』の一般的イメージではあるのだろうけれど、「名君たらんとして励んだけれども、それでも結局うまくいかなった部分の多い太宗」の姿をもある意味残酷に書き記し、それをもって後の君主の鑑としようという、緊張感に満ちた著作であったのだなと思う。そうした「人間味」が、時代を越えて読み継がれる古典たる所以かな。2021/08/04

閑居

13
7世紀頃に安定した治世「貞観の治」を築いた唐の皇帝、太宗の言行録。古来より帝王学の教科書として知られ、家康にも愛読された。本書の魅力は、太宗の人間臭さがありのまま描かれているところだ。太宗は、28歳で即位した頃には臣下の諫言を喜んで採用していたが、齢を重ねるごとに避けるようになり、遂には受け入れなくなった。また、皇帝という地位にビビる臣下に配慮して、努めて穏和な顔をし道理にあわない意見も聞くようにしていたが、歳を重ねるごとに厳しく、激ヅメするように変質していく。その変質もまた私達には教訓となるのだ。2025/01/14

Gokkey

13
なかなかどうして、非常に面白かった。章ごとに設けられた解説が非常に効果的で、当時の中国の政治的背景と関連付けて読むことが出来る。先に読了したちくまのものは抄訳であり、部下・家臣による諫言の重要性とそれに応じた君主の振る舞い方に絞った内容であるようだ。一方で本書はもう少し雑然というか、内容が多岐に亘っており、韓非子の内容を受けた賞罰のあり方から菜根譚に書かれるような世渡りの要諦のような記述まで見られる。ビジネスマンが読む内容としては前者で十分かもしれないが、古代中国史を学び直してもう一度読み返したい。2024/04/22

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