内容説明
転落死した男が隠し持っていた紙片に隠された秘密とは? 『新青年』に懸賞付きで翻訳連載された「楽園事件」が89年ぶりに再刊。日本探偵小説界隆盛の礎を築いた天性の才人・森下雨村による名訳が本邦初訳テキストでよみがえる! J・S・フレッチャーの代表作「ダイヤモンド」も併せて収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
113
『ダイヤモンド』『楽園事件』の中編ふたつ。書かれたのはほぼ100年前。今回は訳者「森下雨村」氏の翻訳セレクションの復刻のようだが、読んであまりに腹が立ったのでソレについての解説は飛ばし読み。2編とも、どうなっていくかの展開につられて先へ先へと読ませてくれますが、人の死に方が簡単すぎるし、情が介在しないというか、生き残る人に都合よすぎというか…。ネタバレになるのでこれ以上は書くのを控えますが、こういクロージングは好みではない。2019/06/13
mercury
1
J・S・フレッチャー2作目。ダイヤモンドと楽園事件という2作。訳は森下雨村で100年くらい前の翻訳。何というか昔の人はこんな翻訳物を読んでいたのかという驚き。資料的な意味もあるのかな。途中でお金の単位が変わっていたり、よくわからないところがあるのはご愛敬か。読めない字があるのも新鮮。ダイヤモンドの方は何これ?と思う展開だが、慣れると楽しめる。楽園事件は主人公がいそうでいない、展開が早いのは同じで、ついつい最後まで読みふけってしまいました。フレッチャー体験ともよぶべきものかも。 2021/10/19