内容説明
男は黒人少年を射殺した犯罪者か、正当防衛で発砲した市民か。それは死体の傷口から一目瞭然である──。全米を揺るがした大事件などを題材として、四十五年間に九千件もの解剖を行った練達の検死医が、知られざる検死の世界を語る。法医学的に鮮やかに明かされる意外な真相の数々から目が離せない、傑作ノンフィクション。/【目次】序文 パズルこそすべて=ジャン・ガラヴァグリア/1 白と黒の死/2 “ホワイ”切開/3 空っぽのゆりかご/4 身元不明の爆死体/5 リー・ハーヴェイ・オズワルドを掘り起こす/6 日常にひそむ怪物/7 秘密とパズル/8 死と法とセレブリティ/9 ウェストメンフィスの亡霊/10 フィンセント・ファン・ゴッホの死の謎/エピローグ/謝辞/訳者あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
32
非常に冷静な語りで、逆に引き込まれました。カラー写真は結構怖かったです。最終章のゴッホ他殺説は面白かった。娘さんとワイワイマンガ伝記と比較しながら読みました。どちらにせよゴッホが自分の成功を知らずに死んだという事実が一番の悲喜劇。2021/04/27
しましまこ
19
ノンフィクションだから恐ろしい。2021/01/31
くさてる
18
副題通り、全米トップの検死医が語るノンフィクション。専門的な記述も多いですが、分かりやすく読めます。取り上げられているのも有名な事件だったり興味深い事件ばかりで、フィクションのように面白く読めるのですが、死体から分かる事実を基に暴かれる事件の真相が、大衆の求めているものとはちがうゆえに否定されてしまったり、歓迎されなかったりする事実はあまりにも苦いところ。良かったです。2021/10/10
勝浩1958
6
ゴッホは自殺じゃなかったのですね。ケネディ大統領の暗殺者の話も興味深いです。説得力に富んでいました。2022/12/08
YS-56
5
真実に迫る誠実さ。予断と偏見を持たないことの難しさ。だからこそ、その眼と腕に大いなる敬意を抱くのです。2021/04/25