内容説明
幕末の沖縄を生きた空手家・松茂良興作。一度見た「手」をほぼ記憶するという特異な才能を備えた彼は、刀を振るう薩摩藩士に手ぬぐいで立ち向かうなど、数々の武勇伝を持ち泊手の達人へと成長する。やがて明治維新の荒波が沖縄を襲い、琉球王国がヤマトに消滅させられると、興作は反ヤマト派の活動を始めるが――。空手の真髄と沖縄のあるべき姿を追い求めた男の、波瀾の一代記!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワッピー
28
今野界・琉球空手3冊目。手の好きな少年タルーは、父親の伝手で清国の手を伝える通詞から套路を見せてもらった帰り道に、薩摩藩の武士がウチナーを斬る現場に居合わせ、沖縄人の置かれた立場に強い憤りを抱く。長じて難儀を重ねて手の使い手となり、ついに示現流を打ち破る技を考え出すも、それを実地に使ったことで3年間身を潜める羽目に。生涯修練を続け、首里でその人ありと言われた武士松村にも縁がつながり、明治維新の後も沖縄始末の大波に翻弄されつつも多くの弟子を育てた松茂良興作の生涯。沖縄が中国に向ける心情の背景を知りました。2024/11/27
活字スキー
19
【文明開化の流れは止められない。沖縄もヤマトになっていくのだろうか。そう思うだけで、心の奥底から怒りが湧いてくる】江戸末期の琉球に生を受け、後の世に泊手の達人として語り継がれる烈士・松茂良興作の生涯を、空手を愛する今野さんが琉球新報で2016年8月から2017年3月にかけて連載していたものの文庫版。史実がベースとはいえ、予想以上に骨太かつ地味な物語だった。ナイファンチ3年バッサイ4年、赤子泣いてもフタ取るな!【せめて、沖縄の文化を失わないようにしなければ】2020/11/26
kiyoboo
17
最初、沖縄の言葉が苦手で物語に入り込めなかったが、そこはベストセラーの作家の筆力で楽しく読み進められた。普通は1人の師に教えを乞うものだが、父を含めると4人の高名な師につくマチムラ。空手の型というのは地味なものという印象だったが実戦的なことがわかった。薩摩に支配されていた時代の話しだったが古さは感じなかった。2021/01/05
ごいんきょ
14
久々に今野敏の空手小説。 読みながらYpuTubeで型の動画を探してしまいました。2021/02/13
やな
12
物語が駆け足すぎてちょっと薄っぺらく感じてしまった(^_^;)2020/12/04
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