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内容説明
古代から近世にわたって続いた地方の国郡と町村が、明治時代の廃藩置県と市制町村制によって、どのように現在の都道府県と市町村へと変わっていったかを読み解いていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
33
律令時代に全国に制定され、国郡制度によってそれぞれの地域が定められた日本の「国」。秀吉の時代を経て江戸初期には郡と村が確定し、明治維新を経て始まった地方再編と昭和と平成の大合併までの変遷を解説した一冊。構成としては秀吉の太閤検地以降がメイン。江戸時代を経て明治新政府の中央集権化を推進すべく廃藩置県から地方改編をどのように進めたかという部分に力点を解説されていて、提言には特に見るべき点はなかったものの、北海道や沖縄の変遷や統治機構を大きく変えることになった明治政府の試行錯誤の歴史はなかなか興味深かったです。2020/06/02
てつのすけ
29
本書を読むと、道州制を導入するのには、まだまだ時間がかかるんだろうなと思わずにいられない。2021/08/19
yyrn
24
平安初期9世紀に定められた五畿七道・68ケ国の地図が現在の都道府県境とあまり変わらないことにちょっと驚くが、自然地形に従えば千年経とうが変わりようがないということかと一人合点したが、むしろ明治初年に3府4県261藩ととりあえず定めた後の県境の迷走ぶりが人間臭い。版籍奉還後の明治3年に3府72県(北海道が函館・札幌・根室の3県に!)とした後、明治12年には3府36県となって、明治21年に今の47都道府県になったとか。ちなみに明治36年に帝国議会に28道府県案が提案されたが議会解散で廃案になっていたとは驚き。2020/07/07
アメヲトコ
8
現在の市町村に至るまでに地方行政区画がどのように変遷してきたのかの歴史を追った一冊。古代から現代まで扱っているので、記述は総花的で分析の深みはそれほどないですが、要点を教科書的にまとめてくれているところはありがたいです。北海道西南端が明治初期青森県に属し、津軽郡なるものが存在したのは知らなかった。それにしても住居表示による地名の破壊はまことに嘆かわしく、政令市で唯一住居表示を採用していない京都市の見識には拍手を送りたいです。2021/02/10
OjohmbonX
5
日本の地方行政区分を古代~現代まで時間軸に沿って概説する本。主に明治期の藩→県への編成の変遷や、市町村体制が形成されていく過程がメインで扱われている。なぜ全て県ではなく都道府県の4種類あるのかとか、「郡」って何なんだとか、そうした疑問も、歴史的な経緯を見ていくと「その時点では必要だったものが、必要性はなくなっても形や名前として残った」みたいなものもたくさんあることが分かる。単純な時間軸で並べるより、著者なりに大胆に整理してみせてほしかった。2021/06/21