内容説明
ロールズの提案する政治的リベラリズム、生き方や世界観の多様性のもとでの公共的理性の社会構想を手がかりとし、特に性別に与えられる意味の多様性に注目しながら、お互いに市民として他者と対話することで生まれる〈自由な共生社会〉の姿を示すと共に、社会的協働を支える諸制度のビジョンを雇用、家族、政治の領域で探求する。
目次
はしがき
序章 自由な共生を求めて
1 世界観の対立と共生
2 規範的社会理論の試み──手がかりとしてのロールズ
3 性別の意味
4 本書の課題と構成
第I部 公共的理性の理論
第一章 公共的理性の社会構想──ロールズの政治的リベラリズム
1 〈相互性〉の社会をめざして
2 公共的理性という理念
3 リベラルな協働
4 協働のビジョンはいかに支持されるか
5 理念理論という方法
第二章 包括的世界観としてのフェミニズム──対話への呼びかけ
1 性別の意味の多様性
2 フェミニズムの性別秩序論
3 性別秩序の主観性と客観性
4 公共の性別秩序をめざして
第三章 公共世界と非公共世界──政治的リベラリズムの射程
1 フェミニズムによる公私分離批判
2 ロールズの家族論
3 オーキンによる批判とロールズからの応答
4 共生の深化
5 残された課題
第II部 原理と制度をめぐる公共的理性
第四章 公正な雇用機会とは何か──機会確保と反差別の複合原理
1 雇用機会の公正
2 ロールズの「機会原理」の批判的検討
3 市民の理念に基づく複合原理
4 統計的判断をめぐって
5 よりよい協働のための制度
第五章 婚姻制度は開かれうるか──人格的ケア関係と次世代育成の価値から
1 オルタナティブな婚姻形態
2 公共的理性の問い
3 人格的ケア関係
4 子どもという論点
5 公共的理性は開かれた制度を支持するか
第六章 代表は性別を纏うべきか──二元的代表による〈媒介の政治〉
1 女性の「過少代表」
2 実質的代表を求めて──集団代表の理念とその困難
3 性別の意味の書き換えをめざして──パリテの論理とその困難
4 存在の政治から〈媒介の政治〉へ
5 二元的代表を支える公共的理性
終章 構想から未来へ
1 包摂の構想
2 ラディカル・フェミニズムとの対話から
3 超包括的世界観との対話から
4 理念理論と私たちの未来
あとがき
初出一覧
文献
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