内容説明
累計50万部突破!
『最後の医者』シリーズの著者が贈る
<既刊発掘シリーズ>第5弾、新装版で登場!
ある女子高生の殺害を認める7人の容疑者。
誰が真犯人なのか?
愛された彼女の本当の姿とは?
救いなんてヒトカケラもない、ドンデン返しホラー!
【あらすじ】
「私がリエを殺しました」。連行された僕を含めて、7人の男女全員が同じ供述をした。そこはある女子高生殺害の真犯人を特定するための会議室。それぞれが狂った動機・犯行過程を告白していくうち、矛盾はどんどん大きくなっていく。リエを殺したのは誰なのか? 議論は平行線を辿ると思われたが、最後の告白が終わったとき一転。驚愕の結末があなたに襲い掛かる。救いなんてヒトカケラもない、ドンデン返しホラー!【新装版】
著者について
●二宮敦人
1985年東京都生まれ。一橋大学経済学部卒業。代表作『最後の医者は桜を見上げて君を想う』等、フィクションとノンフィクションの垣根を越えて活躍。著書に『18禁日記』『最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常』『紳士と淑女のコロシアム「競技ダンス」へようこそ』等がある。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キンモクセイ
49
「ああ、殺した。殺してしまった。僕はリエを殺したんだ。」天使のように美しい顔、透き通った瞳で僕を見つめてくれていた。心から愛していたのに僕の心を踏み躙った。憎んでも足りないくらいだ。でも何故だろう?心がすっきりしない。警官が迎えに来た。こんなに早くバレるなんて。えっ?みんなが待っている?みんなって誰だ?連れて行かれたのは、ある会議室。ここにいる僕を含めた男女7人がエリを殺したと言う。それぞれ犯行動機と殺害方法を告白していく。あの時、僕は確かに殺したはずなのに。誰が殺したんだ?2022/04/23
坂城 弥生
47
帯にある通り確かにどこにも救いが無かった…2021/09/02
うまる
37
ひとりの女性を殺害したと主張する人が7人いるという設定がとても興味を引きます。7人それぞれが動機の正当性を主張する自白タイムは、人の狂気やクズっぷりの描写が凄くうまくて面白かったです。よくこんなに、ひとりの人間に対する殺害過程を考えたもんだと感心しました。 ただラストがものっ凄くつまらないです。まさに打ち切りマンガパターン。実は不死身ちゃんでしたとか、SFでもとんでも真相でもなんでも良いから、広げた風呂敷は畳んでいただきたかったです。2021/08/31
キナコ
23
ある女子高生の殺人を認めた7人の容疑者、各自が犯人は自分だという。各自が自白していくなかで見える人間の思い込みや歪んだ認識、狂喜をじっくりと書いた作品。でも終わり方がちょっと残念。ただリエちゃんが可哀想。胸糞悪い終わりかたが好きな人にはヒットするかな?人って本当に自分の良いようにしか解釈しないんだろうなぁって思う一冊ですね。2022/04/18
nogi
7
登場人物たちみんな自己中すぎたのもあってか、自白の様子を他人として眺める視点で読めたので、楽しめた。読了後、自分でなんとなくは解釈できたけれど、まだモヤモヤが残る。そういう意味でも、じんわりと余韻を感じる小説だった。結局は、何でも自分中心で物事を考えてしまうのかな、と思ったら醜さと人間らしさで複雑な感情になった。2023/04/24