オノマトペ・マーケティング ―もふもふからはじめる市場調査・商品開発・販促支援―

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オノマトペ・マーケティング ―もふもふからはじめる市場調査・商品開発・販促支援―

  • 著者名:坂本真樹【著】
  • 価格 ¥2,640(本体¥2,400)
  • オーム社(2020/12発売)
  • GWに本を読もう!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~5/6)
  • ポイント 720pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784274226465

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内容説明

ふわふわな感性データをマーケティングに役立てよう!
「もっとさらっとした手触りのものがほしい」
「もふもふでかわいい」
「こってりしたものが食べたい」
「ほわんとした音が心地いい」

日常的な会話のなかで、こういった表現を使用していませんか?
この「もふもふ」や「ほわん」が「オノマトペ」です。擬音語や擬態語とも呼ばれ、音や状態を形容する表現の1つです。

商品を使用するユーザーは、友人との会話はもちろん、店頭での相談やアンケートの自由記述欄などで、直感的にオノマトペを使っています。しかし、オノマトペのような定性的なデータは、統計的な分析によってマーケティングに役立てることが難しいとされてきました。オノマトペは顧客の素直な声そのものですが、なかなか役立てられていないのが現状です。

現在の市場調査では、統計分析を前提として「硬い-柔らかい」「温かい-冷たい」などの形容詞ごとに、5~10段階程度の選択肢のうち、どの段階が当てはまるかで答えてもらうアンケート(SD法)がよく使われています。
馴染みのある調査形式ですが、私たちは「このタオル、柔らかさは2で温かさは3くらいだね」と判断して生活しているわけではありません。日常的には、「このタオル、ふわふわだね」など、オノマトペで直感的に対象を表現しています。このオノマトペを分析できれば、より深く顧客のニーズを探ることができるはずです。

本書では、オノマトペを定量的に分析し、ビジネスに役立てるしくみを紹介します。
具体的には、オノマトペを数値に変化するしくみの紹介からはじまり、それをもとにした市場調査、ポジショニングマップによる可視化、商品開発、ネーミングやキャッチコピーの生成、パッケージデザインのキーカラー選定などを、実例を交えて紹介していきます。

◎こんな方におすすめ
本書の内容はマーケティングの全工程に関わるので、以下のような方々におすすめです。

・市場調査や販売戦略などに携わる、企業のマーケター
・商品の開発や改良に携わる、企業の製造担当者
・商品の企画、広報、販促などに携わる、企業の担当者

消費者の直感的な評価をそのままマーケティングに活かせれば、より需要の高い商品を生み出すことができます。オノマトペを使った新しいマーケティングの形を、ぜひ覗いてみてください。

目次

扉/はじめに/目次

Chapter 1 オノマトペ×マーケティングが秘める可能性
 1.1 あなたもちょくちょく使っている「オノマトペ」
  1 「オノマトペ」の名はどこからきた?
 1.2 バシッと効く広告表現を追求するために
  1 [実験] おいしさに関連するオノマトペ表現の傾向調査
  2 音韻からみる「おいしい」と「おいしくない」
   ①炭酸は「しゅわしゅわ」で「じゅわーっ」
   ②コーヒーは「ふわーっ」とおいしさが広がる
   ③チョコレートは「さくさく」で「ぱきっ」
  3 数値化から生まれるビジネスの可能性
 1.3 オノマトペでマーケティングをすっぽりカバー
  1 そもそもマーケティングとは?
  2 マーケティングで行われる調査と従来的な収集方法
  3 オノマトペ・マーケティングが秘める可能性
   ①より生に近い声を収集できる
   ②ビッグデータの分析に役立つ
   ③分析したデータを可視化できる
   ④顧客一人ひとりの「感じかたの違い」に対応できる
   ⑤商品開発や広告コミュニケーションにも活用できる

Chapter 2 オノマトペで市場調査してみよう
 2.1 コツコツ地道に? いままでの市場調査
  1 データ収集で行われる3つの調査
   ①個人調査
   ②会場調査と観察調査
  2 質問票で用いられるSD法とは?
   【手順1】評価項目の選択
   【手順2】評価項目の提示順序の決定
   【手順3】尺度の段階と度合を表す副詞の決定
   【手順4】線分とメモリに対する工夫
   【手順5】調査対象者の選抜
   【手順6】実験の実施
   【手順7】回答データの分析
  3 SD法による市場調査のデメリット
   ①回答に必要な時間が長い
   ②評価項目の選択が難しい
   ③尺度の段階と度合を表す副詞の決定
   ④評価項目の提示順序に配慮が必要
   ⑤適用できる調査対象者が限られる
   ⑥回答がばらつく
   ⑦そもそも主観は分析できない
 2.2 すいすいできる! オノマトペで市場調査
  1 マーケティングにおけるオノマトペの需要
  2 オノマトペの印象を数値化するシステム
   【手順1】オノマトペを準備する
   【手順2】オノマトペの印象を評価する
   【手順3】音と印象を定量化し、意味を推定する
  3 オノマトペによる一言アンケート
  4 オノマトペによる市場調査のメリット
   ①回答に必要な時間が短い
   ②あらかじめ評価項目を選択しなくていい
   ③顧客・消費者への評価項目の提示が必要ない
   ④顧客・消費者に自由に回答してもらえる
   ⑤誰でも簡単に調査に参加できる
   ⑥専門家並みの評価ができる
   ⑦回答する側にも分析する側にも負担が少ない

Chapter 3 オノマトペでニーズを可視化してみよう
 3.1 数値化とマッピングでパッとわかること
 3.2 質感オノマトペマップのつくりかた
  1 素材マップの作成
  2 オノマトペマップの作成
  3 素材マップとオノマトペマップの重ね合わせ
 3.3 「ほっこり」する木ってどんな木ですか?
  1 木とはなんだろう?
  2 住宅建材としての木
  3木の質感とオノマトペ
 3.4 「ぬめぬめ」する紙を想像できますか?
  1 紙というメディアの現在
  2 紙とはなんだろう?
  3 紙の質感とオノマトペ
 3.5 「BORO」は世界に通じるオノマトペ
  1 画像のみで質感を把握することの難しさ
  2 オノマトペによる布製品のセールス
  3 布とはなんだろう?
  4 NUNO NUNO BOOKS
  5 布の質感とオノマトペ
 3.6 「ぴちぴち」ワインや日本酒をテイスティングしたい!
  1 ワインとはなんだろう?
  2 日本酒とはなんだろう?
  3 お酒の味とオノマトペ
 3.7 「つるつる」「さらさら」……なりたい髪になりたい!
  1 ヘアケア商品の広告と口コミの表現
  2 髪の質感とオノマトペ
  コラム:オノマトペにみられる性差?
 3.8 クラリネットはやっぱり「パオパオ」?
  1 音の響きとオノマトペ
  2 楽器の音とオノマトペ
 3.9 「さらしと」漆に和を感じます
  1 漆とはなんだろう?
  2 漆の質感とオノマトペ

Chapter 4 オノマトペで感じかたの個人差を捉えよう
 4.1 みんなバラバラ? マーケティングで理解すべき「個人差」
  1 インターネット調査でモニターから回答を得る
  2 ユーザの行動履歴から好みを推定する
  3 「多から個への推定」と「個から多への推定」
 4.2 しっとり? べたべた? 個人差可視化システム
  【手順1】素材マップの作成
  【手順2】オノマトペマップの作成
  【手順3】少ないデータから個人の知覚空間を推定する方法
 4.3 しっとりした使用感の化粧品は?
  1 個人差可視化システムによる個々に寄り添った接客
  【手順1】お客様の希望を入力する
  【手順2】お客様の感じかたをオノマトペで表現する
  【手順3】お客様の感性に適した商品の提案
 4.4 一人ひとりにぴったり寄り添う、AI時代のマーケティング

Chapter 5 オノマトペで商品開発してみよう
 5.1 オノマトペでさくさく開発指標や改善点を見つけよう!
  1 飲みものの味とテクスチャーをコントロールしたい
   ① おいしさは音に表れる?
   ② 味とテクスチャーの指標をつくろう
   ③ 最初の音と味の関係
   ④ オノマトペ印象評価システムによる分析
  2 オノマトペで新しいパンのレシピを作ろう
   ① パンはテクスチャーによっておいしさが変わる?
   ② 分量推薦システムを構築しよう
   ③ 具材推薦システムを構築しよう
  3 複雑なデバイスの操作感を把握したい
   ① ユーザーの快・不快を測定したい
   ② さまざまなデバイスを用いた実験
   ③ 操作感と音の関係
  4 プラスチックを実金属に近づけたい
   ① そもそも質感とはなんだろう?
   ② 実金属と模造金属をオノマトペで評価しよう
 5.2 もっともふもふにしたらどうなる? 質感シミュレーションによる開発支援
 5.3 どんどん蓄積しよう! 質感データベースによる素材選定支援
  1 データ収集の難しさと重要性
  2 モノと感覚と言葉をつなぐ、質感データベース
  3 日本の立ち位置と可能性

Chapter 6 オノマトペで販売促進してみよう
 6.1 新商品にピッタリな名前を付けるには?
  1 音と印象のふしぎな関係
  2 商品カテゴリで変わる音と印象の結びつきかた
  3 商品名の印象を評価するシステム
 6.2 ズバッと刺さるキャッチコピーを自動生成しよう
  1 どんどん普及するAIによるキャッチコピー自動生成
  2 新しいオノマトペを生成するシステム
 6.3 わくわくする色でパッケージデザインを作りたい
  1. パッケージデザインとマーケティング
  2. 色と感情の関係は?
  3. 伝えたい印象に合った色を提案するシステム
  4. 前向きになれるパッケージデザインを作ろう
 6.4 さらふわな商品だけ検索したい!
  1 ECサイトの普及と商品検索における課題
  2 オノマトペでの検索に対する商品推薦システム

おわりに
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kk

0
オノマトペの研究を昔していて、またやるかもしれないので読みました。どちらかというと研究者向けというよりは一般向けの本に思えましたが、これはこれでイメージ把握に役に立ったと思います。2022/09/22

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