内容説明
有名な学者が「未来の世界のかたち」と呼ぶほどに、日本でも推進機運が盛り上がってきたSDGs。そこで達成しようとする項目を見ると、確かになおざりにはできないことが並んでいる。今後、それらを解決できるように動いてゆかないと、人間社会は持続不可能になるという触れ込みで、国連は加盟国に強い推進を迫っている。しかし、それは本当なのだろうか? 持続不可能になったら、いかなる事態が起きるのか? 人間にとってSDGsの推進は本当に不可避なのか? かつて世界的に大きな目標となり、いつの間にか消えていった「CO2削減問題」の際に、その中心にいた著者は、SDGsの出現に鮮明な既視感を持った。本書は、SDGsに対して抱いた著者の疑念を掘り下げ、その正体と真の目的を暴いた一冊である。多くの企業が騙され、損失を抱えさせられた「CO2削減問題」の轍を踏まぬよう、SDGsとの距離の取り方も考察する。対話形式で書かれ、やさしく理解できる工夫もほどこされている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chimako
84
「モヤモヤがスッと腹に落ちた」と言うここでの感想で読んでみた。が、会話形式で読み辛く自身の能力不足か、腑に落ちることはなかった。2015年に国連サミットで採択されたが5年間放置され、昨年辺りからメディアも躍起になって17のゴールとロゴを出し続けている。関連本も多く出版され、SDGに取り組むことが現代人の努めと言わんばかり。だが、浸透しているとは思えない。レジ袋は貰わず、ごみを減らし(含 食品ロス)、時々は遠い国に思いを馳せる。だいたいそこまで。現場では触れないわけにはいかないが、良く分からないなぁ。2022/05/18
レモン
30
単なるSDGs否定本ではなく、うまくビジネスチャンスと捉えて経済成長させようぜ、という軽い感じの読み物だったが、考え方は面白かった。関わりがあると思われるゴールのアイコンをHPに載せるだけで、何となく取り組んでます感を創出しているような企業が多いと思っていたので、架空の太陽光パネル会社の例や学習塾のケースが勉強になった。すべてのゴールが達成不可能という説には納得。対話形式は確かに設定が気持ち悪いが、個人的には読みやすかった。2025/02/26
けんちゃなよ
15
「壮大なきれいごと」・・・。すっと腹落ちした。初めてSDGs研修を受けた時のモヤモヤ感を見事に、爽快に晴らして貰った一冊。ハウツウ本は「きれいごと」に仕上げるが、しっかとSDGsの問題を掘り下げて核心を突いており、特に日本が如何に井の中の蛙であり、過去の栄光に縋り次なる一手を導けていないこと昭和時代の教育を指摘した箇所には共感した。一方で筆者の偏見、意味の無い対話進行が雑談っぽくて本書のレベルダウンは否めない。2022/05/06
Tomomi Yazaki
14
SDGs。日本で進めようと躍起になっているのは官僚や企業のトップくらい。だから実際にはなかなか進まない。貧困をなくす。現在の経済システムでは無理。飢餓をなくす。もっと無理。質の高い教育。夢のまた夢。安全な水とトイレ。上下水道の配管が老朽し、なおかつ民営化なんかしたらそれも無理。残すことに罪悪感を持たない現代では食品ロスもなくならない、等々。現実には程遠い目標は、2030年を待たずしてもそのメッキは剥げるでしょう。これらはみな、白人社会が求める理想。それに飲み込まれず、日本は上手に波に乗れるのでしょうか。2024/12/17
とみた
2
SDGsを叩く本 なかなか強烈なのでSDGsを褒めている本も併せて読むと学びが深まると思う2024/04/18
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