レジリエンス 復活力 - あらゆるシステムの破綻と回復を分けるものは何か

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レジリエンス 復活力 - あらゆるシステムの破綻と回復を分けるものは何か

  • ISBN:9784478012338

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内容説明

私たちの人生に「予期せぬ出来事」は必ず訪れる。だが、大ダメージを経験した組織やシステムの中でも、完全に崩壊してしまうものと、しなやかに回復するものがあるのはなぜか。人間の脳、自然環境、ビジネスや地域の組織まで、あらゆるシステムを包括的に観察・研究し、「復活力」の驚くべき秘密に迫った知的興奮の書。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りょうみや

19
レジリエンスという言葉もだいぶ一般的になってきた。自然環境、ネットワークシステム、集団、組織、個人の心など様々なレジリエンスを扱っているが、それぞれごとのレジリエンスはやっぱり異なる。システム・ネットワーク的なレジリエンスは複雑系の応用のような考え方で、レジリエンスを維持するシステムは「適度な」単純さ、結合性、多様性を持っているというのが一番おもしろい。興味深いところも所々あるが、全体的に冗長で読みづらいため摘み読み。2018/12/19

きいち

13
今僕らが抱えている問題たち。短絡的な単純化や無闇な効率化に対し、地道に闘っていくにあたって、この「レジリエンス」というのはとても効果的な武器になりそう。個人のメンタルから社会ネットワーク、自然環境まで、この柳の様な自己復元力をどう作れるかが勝負を分ける。自分の言葉で語れるようになりたい。◇シカゴの犯罪防止、ボルネオのオランウータン保護、リーマンショック、ハイチ地震救援、パラオの漁業資源、PTSDからの立ち直りなどなど、複雑に絡みあう問題に立ち向かった具体的な事例が成功失敗数多く紹介され、とても刺激になる。2013/06/27

太鼓

7
前に個人のレジリエンスの本を読み、人間が人生を生きる上で必要なものはまさにこれだなと思いました。挫折に立ち会ったときにまた立ち上がれる勇気と、それを乗り越えていく強さのことです。こちらでは組織やシステムのレジリエンスについても触れられています。組織はムダを排して強くしすぎると柔軟性を失う。突然の危機に対処できる余裕を持ちながら運営できる組織はレジリエンスが高い。剛だけではだめで、柔も併せ持たないと変化する状況に対処できない。それを組織単位で持つ。2016/06/19

tkokon

6
【ふむふむ】頑強であることは、必ずしもレジリエントであることにはつながらない。頑強だが想定しないストレスには滅法弱い例や、逆にレジリエンスのある例を、個人の心の中から、森林保護、アルカイダや結核菌にまで広がる豊富な事例に基づき紹介している。ある基準で見たときに「冗長」であったり「ムダ」なことをあえてシステム内に抱えることで、「想定外」の危機に対する対応力が上がる。私たちは「ムダ」を排除しすぎて、「脆弱」な社会を招いていないか?とハッとさせられた。2013/11/25

茶幸才斎

5
不測の事態により既存の秩序が崩壊し破滅の危機にあるとき、そこから力強く回復を果たす力、「レジリエンス」を生む要件について、生態系、市場経済、社会インフラ、コミュニティなど、様々な分野での成功と失敗の実例を示し、考察している本。システムは強固にすればするほど脆弱性を内包する。レジリエンスをまとうには、個々の環境や文化を配慮した個別の設計が必要であり、1つのモデルを横展開できない点に難しさがある。それは、人類が20世紀を待たねば理解が及ばなかった「生態系」と同様、高い知的認識を要求される概念なのかもしれない。2014/10/24

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