性の歴史II 快楽の活用

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性の歴史II 快楽の活用

  • ISBN:9784105067052

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内容説明

古代ギリシアにおける“性”は、哲学者や医者にどのように認識され、問題とされたか。一夫一婦制、同性愛、近親相姦、生殖、愛欲性、純潔性、道徳の実際を詳述する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

78
古代ギリシアにおける性の位置づけが述べられていきます。いきなりギリシアという狭義で性について語ることに戸惑いましたが、哲学などの起源とされている国だからでしょう。どのように認識され、問題とされたかを様々な愛と生殖、道徳の視点から考察しているのが興味深いところでした。男女間で性の考え方や活動があったことが面白いです。哲学書から問題提起しているのも行為から存在の問題へと変換されたことのあらわれだと思います。性愛に真理を、快楽に欲求を問題提起の形で持ち込んだのも性について考える点は核心をついているようです。2016/01/28

燃えつきた棒

37
まるで、冷めきったさつまいもの天ぷらのようだ。口の中の水分を全部持っていかれてしまった。 文意は分かるが、趣旨が分からない。 魅力的な概念もなく、あまり面白さが感じられない。 いまさらのように、フーコーの敷居の高さを思い知らされてしまった。 僕の理解力が足りないのはもちろんだが、フーコーの本で、タイムリーな本だということだけで手に取ってしまったモチベーションの不足も大きいような気がする。2021/02/27

きいち

30
え、なんでいきなり古代ギリシア?紀元前の文献たちにもとづいて書かれていくことたちは具体的だし論理構成もけっしてややこしくはない、そして、決してこの文章が古代についての研究ではなく、今について書かれていることも伝わるのだが、でもしばしば道に迷う。うーん。◇即物的でもなければ権力の介入もない「性」そのもの、恰好の事例として取り上げられるギリシャ男子の同性愛。ふと、よしながふみのマンガが思い浮かんで、そうか、これはBLの世界だ、と一気に理解が進む。主体性に相手への配慮、萩尾望都の読み手にはわかりやすい世界だぞ。2015/11/15

またの名

10
「読む私をいつも感動させるあの筆致が、しかしこの度は読み取れなかった…いったい何だろう…フーコーに何かが起こっているのではないか…」と書く訳者に賛同せずにいられない、圧倒的な冴えの欠けた(要するに言い難いことを言ってしまうと駄)作。確かに、大量の古い文献資料を並べて古代ギリシャの性言説を精査していくスタイルは変わってないように見えはするけど、同性愛が違反でなかったとか男性を権力主体とする性規範とかの考察は何ら画期的ではない話。この謎は「性なんてうんざりだ!」との叫びを手掛かりに『夜戦と永遠』で追及される。2015/07/31

roughfractus02

6
前著『知への意志』(1976)は『監獄の誕生』同様考古学的手法で資本主義社会から性と言説の関係が転換する様を辿った。8年の沈黙後、続編である本書は性の言説化においてフィルタとなる道徳に注目し、道徳が快楽を扱う仕方に焦点を絞って系譜学的手法で辿り始める。強烈な性的快楽アフロディジアを統御する古代ギリシャの養生術では、性は悪ではなく死の不安が潜む荒々しさと捉えられ、家庭における両性の観点からの管理、同性における沈黙の管理へと繋がる。一方、同性の若者への愛は、年長者が若者に自己統御を教育する役割があったとする。2024/11/29

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