内容説明
〇シャンパン好きで大酒飲みの明治天皇。その祖父に似ずパーティでも酒を一口も飲むことはなかった昭和天皇。
〇歴代有数の漢詩好きだった大正天皇も、少しだけ興味をもった俳句の世界にどっぷりつかった皇族とは。
〇酒癖が悪く日本刀を振り回し、「酔って妻を殺した」と囁かれた元勲総理・黒田清隆。
〇第一次大戦の講和会議の代表を勤めた独身貴族・西園寺公望(70)が、パリに同伴して、列強首脳に妻として遇された「ミストレス」について。
〇その元老西園寺の政治秘書として政治の裏も表も知った男と、彼の回顧録を手伝った文士との心温まる交流。
〇森鴎外と夏目漱石のフトコロ具合。
〇「ベースボールを野球と訳したのは正岡子規」というトリビアは間違っていた。
――などなど、近代日本の華族たちの研究の第一線で活躍する著者が、
それぞれの分野でいまも名を遺す偉人たちの知られざる、そして人に語りたくなるエピソードを紹介します!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
51
皇族や華族関係を通じて近現代史を観てきた著者が、その過程で知ったが著書に直接関係ないこぼれ話を集めた1冊。天皇の酒癖に元老の愛人、皇族の作句や歌会始にまつわる話などは歴史に何の影響もないエピソードだが、誰もが知る人物にこんな人間臭い面があったのかと笑ってしまう。どの章から読んでも面白いが、東京裁判で有名になった原田文書の校訂に里見弴が関わっていたり、吉田茂の息子吉田健一の父との距離の置き方などは文学研究者に興味を惹かれる話だ。ただ松方正義の子の数とか近衛文麿の痔疾など、取り上げて当然の話がないのは惜しい。2021/03/06
nnnともろー
4
明治天皇、牧野富太郎、石川啄木、西園寺公望など、近現代の著名人エピソード集。こういう裏話集は気軽に読めて楽しめる。2022/03/04