講談社文芸文庫<br> 新古今の惑星群

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講談社文芸文庫
新古今の惑星群

  • 著者名:塚本邦雄【著】
  • 価格 ¥1,771(本体¥1,610)
  • 講談社(2020/12発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065219263

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内容説明

正岡子規が称揚した『万葉集』の「写生」から『新古今集』の詩歌理念へ引き戻すことで、戦後日本文化の再建を目指して1975年に書下された『藤原俊成・藤原良経』。新字新仮名で刊行された同書を、塚本邦雄の信念=正字正仮名表記へもどして改題、さらなる深みと凄味を増し、新たな生命を吹き返した。新古今時代を支えた藤原俊成・藤原良経・藤原家隆・俊成卿女・宮内卿・寂蓮・慈円の7人を、渾身の力で論じ尽くした、歴史的名著。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

PAO

17
「生ける死者は死せる生者をこの曉に弑した。その時王朝も名實共に崩れ去つたのだ」…『日本詩人選:藤原俊成・良経』を塚本の信念=正字正仮名表記に戻し改題した誠に有難い一冊。「良経」編を初めて読んだ時のぞっとした感覚が蘇ります。詩歌という地層の奥深くに沈んでいた《藤原良経》という宝石を掘り出したということだけでも深い意義があったと思います。冒頭の引用の通り建永元年(1206年)の良経の死と共に王朝は崩壊し和歌も死にました。数百年後「短歌」なる物質が発明されますが、外見は似てても化学成分が全く異なるものでした…。2021/02/07

Waka

1
癖のある塚本の文章だが、それでも読みやすいほうかとは思う。すべてに賛同はできないが、感想や評をきっぱり言い切る姿勢には学びたい部分もある。 現在では否定されている、塚本存命中の定説が前提となり書かれた箇所もあるので、これらには注意したい。例えば「正治二年正月三日には得得と新妻同伴で参内する男」は源通具でなく藤原宗頼。これは『明月記』の誤読が定説とされていた。また良経の出奔と読まれていたのは、良経の親戚の出奔が誤読され定説になったものだった、と記憶している。2023/10/20

モジモジアニキ

1
昨年復刊した同著者の小説「菊帝悲歌」の副読本だと思います。新古今和歌集とは後鳥羽院という太陽の周りに控える惑星と言える歌人たちの一面を垣間見させてくれるものだったのですね。個人的には後鳥羽院宮内卿の歌が好きです、、、立派なものを生み出すには人生経験不可欠だとかいう浅薄な思想を吹き飛ばすような、このような潔癖さと芳醇さが両立する歌を幼年で作り出すことが出来るのですね。天才のなせる技でしょうが…2023/02/23

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