内容説明
目標がなく、なんとなく社会人になった、出版取次「大販」の新人社員・大森理香が、ある小さな「町の書店」の女店主と出逢うことで、「仕事とは何か」を学び、人生の目標を見つけ出していく――。尼崎に実在するまちの書店をモデルにした、ベストセラー『物を売るバカ』『キャッチコピー力の基本』の著者・川上徹也が書く感動のフィクション。読むだけで仕事への熱意とやる気があふれてくる一冊です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
234
実在する尼崎の小さいな書店が登場するノンフィクション&物語。ものすごく共感し心に響きました。由美子さん、すごい。負けん気もすごいけど、前向きさが一番すごい。そして、由美子さんの旦那さんの昌弘さんもすごい。すごいしか書いてないけど、すごいとしか言いようがないんだよね。仕事で落ち込むことがあれば、この本の話を思い出して自分を奮い立たそうと思える物語。うんうん、小っちゃなことでウジウジしてたらダメだよね。まさに良書です。2021/03/26
みかん🍊
99
本好きという訳でもなく、大手というだけで出版取次会社に就職し大阪支店に配属され営業をする事になった理香は上司に尼崎の小さな本屋に連れていかれる、そこで出会った店主由美子さんの話を聞くことで徐々に気持ちが変っていく、お仕事小説ではあるがノンフィクションのビジネス書でもある、由美子さんの仕事に対する姿勢にはどんな仕事にも通じる商売の基本がある、感謝する事人との繫がりを大切にるす事、信用を裏切らない、たとえ郊外の小さな本屋でも熱意があればやっていける、大切な事を沢山教えられ理香は会社員として成長していく。2023/01/27
ムーミン
95
「まずは、仕事のことでも会社のことでもまわりの人のことでも、ひとつずつでもええから、ええところを探して好きになってみ。そしたら自然ともっと知りたくなってくるもんや。何でもええやん。せっかく縁あって大販に入ってんから、仕事のことも会社のこともまわりの人のことも、好きにならんともったいない」P.93 2022/11/07
イスタ
94
読友さんが続けて読了されていたので気になって。文章が優しくスラスラと読めました。理香の『私なんて』とか『すみません』って言葉が読んでいてモヤモヤしてたけど。「自分を卑下するような言葉を使っていたら、ほんとに薄っぺらになるよ」と由美子さんのひと言。言霊はあると思うし、意識して使う言葉は選びたいよね。百人文庫も推し本トークも面白そう。地元の本屋さんには自分が読みたい本がなくて結局ネットで買うことが多いけど、たまには本屋さんに行ってみようと思います。2021/06/18
bura
91
尼崎に実際する小さな本屋「小林書店」とその店主の小林由美子さんをモデルにした小説。出版取次会社の新人営業、大森理香が仕事を通して成長していく物語に、小林さんの実際のエピソードが加わっていく。その8つの話が実に仕事に対して前向きであり素晴らしい。ひとつひとつが心に響き励まされる。これは本を愛する人たちを中心にしたストーリーであり私たち読書好きには、とても共感出来る一冊。又、仕事をするすべての人へのエールだと思う。小林書店に行ってみたくなります。2023/02/02