内容説明
イラン出身の母と白人の父をもつ、ペルシア系アメリカ人のダリウス。家でも学校でも疎外感を覚える彼は、母の故郷ヤズドを家族で訪れることに。そこではじめての友達を見つけ……。アメリカの様々な年間ベストブックスに次々と選出されたベストセラー! 民族、人種、性的指向、うつ病、多重のアイデンティティに悩む16歳の青春物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒデミン@もも
44
日本もダリウスのように自分のアイデンティティに悩む人が増えていくんだろうな。お茶好きのダリウスが、最初に入れてくれたのが日本の玄米茶だったことがなんだか嬉しい。美味しそうなイランのお菓子や料理もいっぱい出てくるが、ナンぐらいしか思い浮かぶことができなくて残念。2021/02/04
Fondsaule
34
★★★★★ 母がイラン出身、父がアメリカ人のダリウス、17歳、米国在住。 学校の友達関係では下層をうろついている感じ。 妹は流ちょうなペルシャ語を話すが、ダリウスは英語だけ。 少しだけ鬱を抱える。そんなダリウス一家が母の祖父母に会うためにイラン行くことになった。 ダリウスはそこで無二の親友と出会うことになる。 イランの風習がダリウスの目線で描かれる。 とても興味深く、そして面白い。 お茶が好きってのがいいなぁ。2021/02/12
愛玉子
29
友だちはいるけど親友とは言えない。両親は優しいけど失望させてる。高校では「テロリスト」ってからかわれたりして。自分や周囲を『指輪物語』や『スタートレック』に例える語りは面白いけど自虐的で、辛さや寂しさを外に出すまいとするのが痛々しい。でも祖父母の国で親友と呼びたい相手に出会えたダリウスは、一歩手前で止まる癖をやめて恐る恐る踏み出してみる。出てくる料理やスイーツがよくわからないけど美味しそう。スマックは中東のレシピ本で見たことあるぞ、ゆかりで代用可のやつ!ダリウスがお茶好き(紅茶から玄米茶まで)なのも良い。2021/04/03
星落秋風五丈原
24
集英社のこの手のシリーズは精神疾患を抱えた少年少女が主人公のパターンが多い。イランに戻った事で生きづらさの原因に立ち戻る。2021/01/24
Takashi Takeuchi
22
イラン人の母とドイツ系アメリカ人を父に持つ米国ポートランドの高校生ダリウス。イスラム系、ぽっちゃり、オタク、おそらくゲイ?といじめられ要素を持ち友達のいない彼。しかし一番の生きづらさは先天性の鬱病である事と父に失望されていると感じている事。そんな彼が初めて母の故郷イランに里帰り。そこで少しずつ癒され、自分をを解きほぐしていく。イランの人、景色、料理が美しく。行きたい国になった。自身も鬱病である著者のあとがきも素晴らしい。2021/10/22