相倉久人にきく昭和歌謡史

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相倉久人にきく昭和歌謡史

  • ISBN:9784865591460

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内容説明

昨年7月、自選評論集『されどスウィング』刊行と同時に惜しくも世を去った音楽評論の大家・相倉久人の没後初となる著作。

エノケン、美空ひばり、服部良一、坂本九、クレージーキャッツ、軍歌、百恵・聖子・明菜・奈保子、ユーミン、大瀧詠一、シャ乱Q……
戦前・戦中のヒット曲・軍歌から、戦後のアイドル、ニューミュージックまで全10回、流行歌を通して昭和を見る!

本書は2012~14年に行った連続対談を再構成・書籍化したものです。

「芸能ってのはお客さんに喜んでもらえなきゃしょうがない。でも、たどり着く頂点はアートと同じですよ」──相倉久人

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

48
図書館で目についた。タイトルに偽りなく、戦前からの歌を振り返っている点が類書を圧倒している。海外の音楽をいかに取り入れるかに苦心しても、そこにはやはり日本的なるものが、どうしても現れてしまうというのが現実であるようだ。もちろんそれが悪いわけではない。アイドルについての論で驚くのは、鋭くどこまでも理解しながら役割を演じていたという点。これにはまいった。2019/01/11

タイコウチ

7
エノケン、服部良一から美空ひばり、クレージーキャッツ、さらに山口百恵、忌野清志郎、最後は菊池成孔まで1枚1枚レコードを聴きながら昭和歌謡の大きな流れを相倉久人が語る(聴き手は松村洋)。相倉さんは譜面でも言葉でも説明できない声の質にこだわる。「自己表現のレベルでいうと、ロックやニューミュージックは歌謡曲にかなわないと思う。なぜかっていうと、歌謡曲は他人が作ったものを自己表現に引きずり込むわけでしょ。ロックなんかは、原則として自分で作った自分の世界でしかないわけだから、その分、表現の幅が絶対に狭いんですよ。」2017/01/09

qoop

6
ジャンル区分・リズムとメロディ・歌手の自我・リスナーの変化などを論じつつ、日本的なエッセンスが洋楽をどう咀嚼し、どう表現されてきたかを説いて歌謡史の流れに芯を通す。興味深い各挿話が集約されていく展開は強いグルーブ感あり。ジャズ、ロック評論からレコード大賞の委員など、多岐にわたり音楽業界に関わってきた相倉氏。亡くなる前に行われたこの対談には、その集大成ともいうべきエッセンスが詰まっているのかも。ミュージシャンと演劇人の打ち上げの違いとか、ジャズが日本の笑いに与えた影響とか、さらに展開を見たかった話題も多数。2016/09/13

72ki

1
図書館で借りて読んだが、購入決定。これはいい本だ。エノケンからKOHH、服部良一から中田ヤスタカ、笠置シヅ子からピコ太郎。昭和から平成、20世紀から21世紀、戦前から戦後。ずっと繋がってるものを確認できるし、断絶したものも認識できる。ウザがらずにルーツにも目を向けないと、今どこにいるのかも、わからなくなっちゃうよ!2017/01/24

tkm66

1
大変面白く、かつ貴重な証言満載。大御所・相倉が時折持ち出す俗流文化論はご愛嬌だが、松村の〈なんでも理に落ちる・落とそうとする〉具合が・・。2016/12/18

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