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内容説明
騎士になるための最後の試練の夜に,思いがけず重大な使命を与えられた少年ティウリは,隣国へと旅立つ.謎めいた隠者,陰険なスパイ……手に汗にぎる,オランダの人気冒険小説.
目次
序章 ダナホウト王の騎士たち┴第一章 指令┴1 礼拝堂で 騎士叙任式の前夜┴2 見知らぬ人からの依頼┴3 宿への道中┴4 宿、イカルヴァラ┴5 白い盾の黒い騎士┴6 赤い騎兵たち┴7 逃亡┴第二章 森をぬけて┴1 出発 黒い馬┴2 森の小屋のマヌケ┴3 角笛のひびき 指輪┴4 追いはぎ┴5 灰色の騎士たち┴6 ブラウン修道院の修道士たち┴第三章 ミストリナウト城┴1 巡礼者と灰色の騎士たち┴2 捕えられて┴3 城主とその娘┴4 灰色の騎士たちとの戦い┴5 和解┴6 白い盾の騎士の名前┴第四章 青い川にそって┴1 ふたたび旅へ┴2 夕焼けの宿 エヴェインの話┴3 リストリディン、白い盾の騎士について語る┴4 赤い騎兵たちの襲撃┴5 灰色の騎士たちとの別れ┴第五章 大山脈で┴1 旅の道づれ┴2 隠者メナウレス┴3 ヤロとの別れ┴4 ピアック┴5 霧と雪┴6 ウナーヴェン国のながめ┴7 タキとイリアの家で ふもとへ┴さし絵 トンケ・ドラフト
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
69
白・赤・灰色の3騎士たち、そして3ヶ国入り乱れての混沌の渦中に自然身を置くこととなった主人公ティウリ。主人公のみならず、冒険の途中で出会う善悪様々な人たちが垣間見せる”心底の叫び”が印象的。中でも、葛藤しながらも自らの心の叫びに従う「ヤロ」と、追い剥ぎ頭領の2人の存在は、岩波少年文庫らしい。これらの1つ1つが、もれなく主人公の成長の糧となる。冒険後半で明かされる手紙の中身も気にはなるが、ヤロが口にした「スルーポル」の存在も気になるところ。因みに、ミストリナウト城の城主の名前の長さに何か意味はあるのかな?2020/03/25
帽子を編みます
65
オランダを代表する児童書です。見習い騎士ティウリの驚くべき冒険が著者自らの挿し絵とともに語られます。この話、題名が「王への手紙」となっているので読者にはある程度の見通しが立つのですが、それがなかったら謎だらけです。ティウリは騎士になれるのか、謎の騎士の正体は、謎の手紙を誰に届けるのか、どうして敵に追われるのか、敵は一体誰でどこに潜んでいるのか。しかも手紙を託された騎士に秘密にすることを誓ったので助力を乞うことも出来ないのです。途中からピアックという友が出来ます。秘密の重さを一緒に分かち合い二人は進みます。2021/08/02
さつき
58
騎士になるための最後の試練の夜、16歳のティウリは見知らぬ老人から助けを求められます。自らの将来を棒に振ってしまうかもしれないのにティウリはその頼みを聞き入れます。人が人を信頼するとはどういうことなのか、とても考えさせられる作品です。私なら内容も分からない手紙を届けるために危険な旅に出るなんて出来ない。自分を信頼し託されたことだからと愚直に使命を果たそうとするティウリの若いひたむきな姿勢に瞠目します。この後どうなるか続きが気になります。2025/05/12
たつや
50
「白い盾の少年騎士」と同一作者の作品。以前、図書館で見たときはサトクリフの「王のしるし」とタイトルが似てると思ったのと、上下二巻かあ、と言う程度で、さほど興味もなかったけれど、岩波少年文庫の読破祭りにつき、借りました。「白い盾の少年騎士」も、まあまあ面白かったので、で、アーサーランサム読んでたけど、こちらの冒頭を少し読んだら止まらず、一気に読了。直球で面白い。下巻へ。2017/05/01
NAO
42
(地元の児童書を読む会11月課題本)見習い騎士ティウリが、最後の試練を諦めてまで見知らぬ老人を助けたことから始まる、苦難の旅。手紙を奪おうとする者たちの罠が張り巡らされる中、ティウリは勇気と誠実さで苦難を乗り越えていく。ティウリの一途さに、彼を支える友人が現れたことで、後半の旅はさらにおもしろくなっていきそうだ。2015/11/17