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内容説明
有名な表題作を初めとして,日本昔話を意表をつく展開で語る「お伽草紙」から「浦島太郎」「カチカチ山」,その他「女生徒」「魚服記」など,短編の名手太宰治による軽妙な8編.〔解説・関川夏央〕
目次
魚服記┴富嶽百景┴女生徒┴走れメロス┴お伽草紙┴浦島さん┴カチカチ山┴畜犬談┴竹青┴解説(関川夏央)┴さし絵 小西英子
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のし
6
富士には月見草がよく似合う。 太宰治が29歳の時に発表した小説です。 主人公は、峠の頂上にある「天下茶屋」へ鞄ひとつで出かけます。そこにはこもって仕事している作家井伏がいました。 。井伏の紹介で女性とお見合いをして結婚もしています。 そのエピソードも盛り込まれた「富嶽百景」。 青年時代の太宰治の初々しさも感じる作品。 行動がストレート。 人間味にあふれています。 2017/10/21
えふのらん
3
やっぱり富嶽百景が際立っている。ものを書き写すのではなく紙に、心に投影することで富士は無限の存在になっていく。メロスも疑心暗鬼になった王を友情ひとつで浄化してあいまうのがいい。浦島とかちかち山はいつもの太宰という感じ。一言余計なんだよ。2021/11/17
亮人
3
初太宰。太宰作品って陰鬱で鬱陶しい話ばかりかと思ってたんだけど(だからビビって中学生向けの本書から入った)、ユーモアのある作品があったり思春期の少女の機微を書いた作品があったりと意外な発見だった。あと「走れメロス」は森見版を思い出して真面目に読めなかった。2009/07/21
syu
2
太宰治は走れメロスぐらいしか真面目に読んだ事なかったので他の作品が読めてよかった。力強く、直接的な文章がよかった。メロスはともかく、他の作品は少し絶望先生を思わせられた。自殺のイメージから入ったからか。人間不信というテーマが見え隠れする。浦島太郎やかちかち山の解釈は面白い。2012/08/01
ひろみ星☆
2
自殺した作家という暗いイメージが強くて、今まで読んだことがなかった気がします。太宰が精神的に落ち着いてる時期の作品集とのこと。「女生徒」や「竹青」など共感できる作品が多くて、太宰への抱いていたイメージとの違いに驚きました。もっと、めちゃくちゃ暗い話しを書く作家だと思っていました。「竹青」の主人公「魚容」が怒られて生きてきた人間の癖で、つい「すいません」と悪くも無いのに謝ってしまう件や、会った人は皆、自分を怒っているのではないかと思ってしまうという件に、とてもとても共感し、涙が出ました。そういうのって私だけ2011/11/27