内容説明
医師ジーキルは自ら発明した秘薬によって凶悪な人物ハイドに変身するが,くり返し変身を試みるうちに恐るべき破局が….人間の善と悪をみごとに描き,二重人格の代名詞にもなった古典.
目次
ふしぎなドアの話┴ハイド氏をさがせ┴落ち着きはらったジーキル博士┴カルー殺人事件┴手紙のこと┴ラニョン博士の身に生じたこと┴窓辺の出来事┴最後の夜┴ラニョン博士の手記┴ヘンリー・ジーキルは告白する┴訳注┴訳者あとがき┴カバー画・さし絵 建石修志
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こよみ
16
二重人格系の元祖ということで 善悪の対立ではなくジーキルにも悪心はあったんですね2016/03/06
timeturner
7
子供向けにやわらげている部分はやや物足りなく感じるけれど、全体としては正確でわかりやすく、子供以外の古典文学初心者でもこれを読むと原作をよく理解できると思う。2019/04/04
さきん
7
人々の信頼を集める医師ジーキル博士は、暗い欲望にとらえられ、自ら発明した秘薬によって別の人物に変身する。だがくり返し変身を試みるうちに恐ろしい破局が…。人間の善と悪を描き、二重人格の代名詞ともなった古典。薬が一種のバランスを図っている。2015/07/23
ユキ@うろちょろ
5
韓国で舞台を見た。今思うと原作とは違うけれど、ロマンチックできれいにまとまっていた。そもそもどんな話だったかうろ覚えのままだったので、改めて読んでみる。どうしても舞台と比べてしまうのだけれど、女性がほぼ出てこないのね。二重人格とまでいかなくても、性格の裏表というのは誰にでもあるんだろうなぁ。光がまぶしければ影はまた濃い。2019/02/02
nanako
4
二重人格の人の話とは知っていたけれど、こんなに考えさせられるとは思いませんでした。ジーキル博士は表の顔が善良で悪の部分は見せず、心の檻に閉じ込めていた。だからハイド氏はあれだけ悪になった。だとすると、普段から悪の部分を隠さずに表に出している人はどうだろう?薬を飲んでも何も変わらないかもしれない。では自分が飲んだら?…恐ろしいです。善と悪が混ざっているからこそ人。常に良い子ちゃんでいるのも良くないと気付かされます。2015/02/25