内容説明
都市生活の哀歓や,故郷である岩手県渋民村への思い,流浪をかさねた北海道時代を歌った歌集.『一握の砂』.26歳で終えた短い生涯の晩年の歌を集めた『悲しき玩具』.「一生に二度とはかえってこないいのちの一秒」を愛し,その思いを独特な3行書きのスタイルによる短歌で表現した啄木の2つの歌集を収録.
目次
目次┴一握の砂┴我を愛する歌┴煙┴秋風のこころよさに┴忘れがたき人人┴手套を脱ぐ時┴悲しき玩具┴解説 中村稔┴索引┴カット 奥勝實
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たつや
43
授業で触れた石川啄木は日常生活で思い出すことはないけれど、若くして死んだ啄木の2つの歌集は俳句になれてない私でも読みやすく、なんとなく意味もわかる。哀愁漂う。後半、テロリストが出てきて驚いた。ずいぶん昔の人だと思っていた啄木が使うテロリスト。不思議だ。2017/01/22
綾
1
悲しき歌。2014/05/22
かずら
1
26歳で病死した石川啄木の、最晩年の歌集。記憶の中の歌と何か違うと思っていたら、現代かな遣いだった。確か教科書で読んだときは旧かなだった。歌はネクラでささやかな、日記のような印象。啄木は本当に日記をつけていたらしい。陰鬱でありながらも、どこか自分を突き放した雰囲気が漂っている。さらっと乾いた言葉遣いが面白かった。2013/11/08
もりっち
0
鬱な時に効く精神安定剤的な本として家に置いておきたい一冊。 syrup16gを聴いているときと似たような感覚になれる。2012/04/21
芹沢 時雨@VTuber
0
石川啄木は二十六歳と二ヶ月足らずで世を去った。自分は彼とほぼ同じ歳月を生きた事になるが、彼の過酷な生まれと生き方と、自ら破滅を望むかのような自滅的な生活と思考、充実した人生を送る同年代への嫉妬や羨望の想いには、微かな共感と、それと同時に戦慄を覚える。2011/06/12