岩波少年文庫<br> ふたりのロッテ

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岩波少年文庫
ふたりのロッテ

  • 著者名:エーリヒ・ケストナー/池田香代子
  • 価格 ¥726(本体¥660)
  • 岩波書店(2020/12発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784001141382

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内容説明

おたがいを知らずに別々の町で育ったふたごの姉妹ルイーゼとロッテ.ある夏,スイスの林間学校で,ふたりは偶然に出会います.父と母の秘密を知ったふたりは,別れた両親を仲直りさせるために,大胆な計画をたてるのですが…….待望の新訳.

目次

1 ビュール湖のほとりのゼービュール/子どもの家は蜂の巣だ/二十人の新入りを乗せたバス/巻き毛とおさげ/だれかの鼻をかじってもいいか/イギリスの王さまと占星術的ふたご/えくぼをつくることのむつかしさについて┴2 停戦と和平のちがい/洗面所は美容室/ふたりのロッテ/トゥルーデ、ひっぱたかれる/写真屋のアイペルダウアーさんと山番のおかみさん/わたしのお母さん、わたしたちのお母さん/ウルリーケ先生もぴんとくる┴3 新大陸発見/謎また謎/半分こされた名前/まじめな写真とおもしろい手紙/シュテッフィーの両親、離婚する/子どもを引きはなしてもいいか?┴4 オムレツなんて、とんでもない!/秘密のノート/通学路とおやすみのキス/ただいま、たくらみ進行中/練習の仕上げ、ガーデンパーティ/さようなら、ビュール湖のほとりゼービュール┴5 トランクに腰かける子ども/ホテル・インペリアルのさびしいおじさまたち/ペペルと動物のたしかな本能/「ルイーゼ」、歌劇場で手をふってもいいかとたずねる/家計簿の計算まちがい/シャーリー・テンプルは自分の映画を見ることが許されない/常任指揮者パルフィーさんのこんがらがった内面生活┴6 ヴァーゲンターラーおばさんのお店はどこ?/でも、お料理を忘れるなんてありえない/ロッテ、歌劇場で手をふる/チョコレートの雨が降る/ミュンヘンのはじめての夜、ウィーンのはじめての夜/ゲルラッハさんが魔女になってあらわれるへんな夢/親はなにをしてもいい/宛名は「ミュンヘン郵便局私書箱十八 わすれな草さま」┴7 何週間もたった/ペペル、目をつぶることにする/オムレツには骨がない/すべてが変わった、レージーさんはとくに/常任指揮者パルフィーさん、ピアノのレッスンをする/ケルナーさん、自分をせめる/アンニ・ハーバーゼッツァー、びんたをくらう/この世にこんなすてきな週末はなかった┴8 ガーベレさんちの窓はちいさすぎる/ケルントナー・リング通りでお茶を/あたりさわりのない、上品なおしゃべり/父親は威厳をたもてなけらばならない/ハ短調の歌/結婚計画/コーベンツル並木通り四十三番地/ゲルラッハさん、耳をそばだてる/シュトローブル顧問官、やきもきする/指揮者さん、人形をなでる┴9 アイペルダウアーさんの写真、混乱をひきおこす/まあ、だとするとこの子はロッテ?/リンネコーゲル先生、秘密をうちあけられる/こげたポークリブと割れたお皿/ルイーゼ、だいたい白状する/どうしてロッテは返事をくれない?┴10 ミュンヘンからの長距離電話/救いのことば/レージーさんもお手上げ/ウィーン行き航空便のふたつの座席/ペペル、雷にうたれたようになる/ドアの外で立ち聞きすると、こぶができる/指揮者さん、外泊してうれしくないお客をむかえる┴11 ふたりの誕生日と、たったひとつ誕生日にほしいもの/親たちはふたりだけで話しあう/おやゆびをにぎって!/鍵穴の前でおしくらまんじゅう/誤解そして了解┴12 グラヴンダーさん、ぎょうてんする/キーリアーン校長先生のおもしろい話/ルイーゼとロッテの結婚計画/「ミュンヘン画報」の表紙/古いドアに新しい表札/「おとなりの指揮者さん、よろしくね」/失ったしあわせには補習がある/子どもの笑い、子どもの歌/「みんなふたご!」┴訳者あとがき┴さし絵 ヴァルター・トリアー

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

128
休暇村で出会った双子姉妹が離婚した両親を仲直りさせるため入れ替わって帰省する。元々映画脚本だけに現在形で進行する地の文はスピード感とイメージ喚起力に富み、それでいて子ども達の等身大の喜悦や苦悩に優しい視線を注ぐスタンスが著者らしい。大人しいロッテが父の交際相手と対峙する勇敢さはギャップが現れる分ルイーゼ編より重みと緊張感があるが、しかしタイトルは不公平に見える。殆ど大戦下で書かれた執筆背景も印象的、大人の事情の割を食う子供たちを憂いファンタスティックなまでに明るい世界を希望することが支えでもあったようだ。2024/02/02

Willie the Wildcat

120
偶然の齎した奇跡。奇跡を必然とする子どもたちの機知と、家族の絆への思い。鍵は「写真」。思い出を残し、振り返る媒体。人びとを繋ぐ。理想と現実?現代であれば、何かとControversialかもしれないが、時勢を考えればある意味腹落ちする。大戦下に書き上げた作品故の作者の夢ではなかろうか。平和であり家族。大人の事情を揶揄したくなるよね。子どもの時の読後感と、大人になって再読した時の感想の差異。そして、現代で振り返る時勢。読後、自然と感謝の念。それにしても、ペペル、いいなぁ。流石の鼻力!?2019/04/26

zero1

93
夏に湖の畔でルイーゼとロッテは会った。二人は誕生日と生まれた場所が同じ。ある計画を二人は立て実行した。だが父親の結婚話によりロッテは熱を出す。ピンチだ!ケストナーは子どもに温かい目を向けるが大人には厳しい皮肉を用意していた。親の離婚に対する彼の指摘は現代にも通じる。ただシャーリー・テンプルの話は作者の誤解。多くの人が誤解ししたまま。高橋の翻訳に文句はないが、世界的にファンがいることから新訳が出てもおかしくない。1949年に出版されたことから著作権は問題ないはずだ。光文社あたりに出版を検討してもらいたい。2018/12/09

さつき

80
子供の時からのお気に入りの作品。ふたごが入れ替わるって、やっぱりドキドキする設定です。私自身は親しい関係には、ふたごの人はいないんですが、娘や息子のクラスにはふたごの子がいます。そして何度も会っていても、やっぱり見分けがつきません。その子達のお母さんに言わせると、全然似ていない。どうしてみんな間違えるのか分からないそうですが…こういう作品を読むと子供同士実際に入れ替わることもあるのかも!そして身内以外はなかなか気づくのは難しいだろうと思います。2019/09/22

たま

59
ケストナーの伝記を読んだら懐かしくなって。度重なる転居のせいで手元にあるケストナー作品は『飛ぶ教室』だけ。近所の本屋で『ふたりのロッテ』を見つけ再読した。寄宿舎の夜の場面から心をぐっと掴まれ、二人の企てにドキドキし、最後は大人たちをあっと言わせるのが痛快で楽しい。抜群のテンポ感、語りの巧みさに感心する。戦後のドイツ、それほど豊かではなかったと思うが、湖のほとりの夏休み村、ウィーンの歌劇場、アルプス徒歩旅行、昭和の子どもにはなんかキラキラ見えた。キラキラの中にちゃんと経済格差も書かれているのもいい。2022/06/23

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