ファニー 13歳の指揮官

個数:1
紙書籍版価格
¥1,650
  • 電子書籍
  • Reader

ファニー 13歳の指揮官

  • ISBN:9784001160109

ファイル: /

内容説明

しっかりしなきゃ.わたしが泣いたら,だれが小さい子たちをなぐさめるの?――第二次世界大戦時,ナチスドイツ支配下のフランスから,子どもたちだけでスイスの国境をめざした,ユダヤ人少女の驚くべき実体験.命がけの逃避行と,手をさしのべてくれた人たちの記憶を鮮明に物語る.映画『少女ファニーと運命の旅』の原作本.

目次

まえがき┴献辞┴この本に登場するおもな地名┴ファニー13歳の指揮官┴訳者あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しいたけ

126
血の繋がらぬ幼な子を抱え銃弾の中を走り抜ける13歳の少女。目の前の命を救うことも人の本性なら、ユダヤ人というだけで幼き子らに銃を突きつけ、飢え死にさせたらんとするも本性。小さな子達が憲兵の脅しに屈せず守り抜く、守ってくれた人たちと親の、名前と居場所。どんなに怖かっただろう。ひもじかっただろう。子どもたちだけのスイス国境までの逃避行。捕まり、閉じ込められ、お腹をすかせた辛い夜。子どもたちは自分のわずかな人生を語り合う。子犬のように身をよせあう。「のどから手が出るほど、ぬくもりが欲しかった。人間のぬくもりが」2017/12/01

☆よいこ

70
フランスで暮らしていたユダヤ人少女ファニーが、スイスに逃げるまでの実話。ユダヤ人迫害の歴史やフランスの地理について知らなければちょっと苦戦するかも。中学生向け。文字も大きく、ページ数もそうないので読みやすい。訳者のあとがきで時代背景や迫害の歴史について説明があるので、そこまで読んでほしい。2019/01/09

はる

58
ユダヤ人の少女ファニーは、子供たちだけでナチスドイツ支配下のフランスから安全なスイスの国境をめざす…。実話をもとにした、命がけの逃避行。子供が泣こうが叫ぼうが躊躇せずに(笑顔さえ浮かべて)銃を向けるナチス兵に背筋が凍る。一方で、自らの命を顧みずに子供たちを助ける人たちの存在に感動(自分にはとても出来ない…)。幸運が重なったこともあるけれど、主人公ファニーの冷静さと賢さが素晴らしい。ネビル・シュートの『パイド・パイパー』を思い出した。2017/10/05

くたくた

51
実話です。1942年13歳のユダヤ人の少女ファニーが子ども達だけでフランスからドイツ兵が警護する国境地帯を脱けてスイスに逃れる。子ども達を児童人権保護団体に託した母、その前にフランス秘密警察に逮捕されて収容所に送られた父とは、戦後再会することは叶わなかった。幼い妹達だけではなく、いつのまにか大勢の子ども達を統率することになったファニーの強い意志と責任感に敬服します。戦後、姉妹はイスラエルに移住し、ホロコーストの記憶を次世代に繋ぐ活動をされており、この話は『少女ファニーと運命の旅』という邦題で映画化。2021/09/12

fwhd8325

51
フランスの少女が経験した戦争、ホロコースト。アンネ・フランクもトラップファミリーもすべて本当の歴史。本当はあってはならない歴史。見たり、聴かなくてもよかった歴史であったら、もっとよかったのかもしれない。それでも、まだ埋もれたままの歴史もたくさんあるんだと思っている。2017/11/02

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12174058
  • ご注意事項