朝日文庫<br> 岡本行夫 現場主義を貫いた外交官

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朝日文庫
岡本行夫 現場主義を貫いた外交官

  • ISBN:9784022620316

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内容説明

外交官として、首相補佐官として、またあるときは民間人として、湾岸戦争、イラク戦争、普天間基地移設問題、東日本大震災など、アメリカや世界を相手に困難な状況を打開してきたタフネゴシエーターのオーラルヒストリー。今年4月、新型コロナウイルス肺炎のために急逝。著名人の追悼文も特別掲載。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とある本棚

9
面白かった。外交官というと優雅な貴族を思い浮かべるかもしれないが、本書の主人公の岡本氏は泥臭く現場を駆け回りながら、関係者との合意形成を図る。岡本氏が取り組んだ経済外交と日米安保が主として取り上げられている。仕事人として意見が合わない人でも、その人の背後にある論理を考え、ぶつかっていく姿勢に学ぶことは多い。湾岸戦争での日本の貢献、サミットでの首脳たちの知的格闘の様子等の裏話も興味深い。2022/09/11

Masayuki Shimura

2
【国際会議に共通しますが、日本の場合、一の矢はいいんです。しかし、あとの自由討議になっていくと、気の利いたコメントを言えるかどうか。議論は進化しますから、大学教授同士の討議を聞いているようなもので、用意してきた紙だけでは対応できないんですね】(文中より引用)・・・・・日本外交の節目節目に携わった人物の語る言葉だけあり、一般に知られていないエピソードやそこから得られる教訓がふんだんに詰まっています。岡本氏が精魂を傾けた沖縄に関する記録は重要な歴史資料と見ることもできるかと。2021/08/11

みゃんぱ

1
こういう実務家の回想録には珍しく、一気に読める内容の面白いものだった。歴史家たちによるインタビュー形式という形を取っているからかもしれない。岡本さんがごく若い頃から、官僚組織の中でどれだけ自発的に、クリエイティブに動いていたかということが読み取れ勉強になった。岡本さんの沖縄との関わりと、当時の沖縄を巡る政治の動きもほぼ知らない内容だったので、面白くかつ印象に残った。2021/10/16

こうきち

0
頭の良さというよりも、熱い営業マンといった印象か。現場主義は、見習いたいところ。ただ、建設は死闘。破壊は一瞬という事もよく分かった。2023/01/31

K

0
パンデミックの初期に数々の著名人の訃報に接しましたが、中でも岡本さんのそれは、そしてこの本を読んで彼が自叙伝を日英双方で執筆していたが志半ばで帰らぬ人となったと知りなおさら、残念でなりません。汚れ仕事やリスクは他国に押し付けるくせに一定の国際的な地位は求めるという日本という国の現状を喝破し、現場のニーズに基づいて、現場の人々やカウンターパートと心を通じ合わせる努力をし、ご自身にできる限りの策を講じていこうとする、仕事に臨む際の首尾一貫した姿勢がうかがえる本でした。2021/10/24

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