小学館文庫<br> ランナウェイ

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小学館文庫
ランナウェイ

  • ISBN:9784094066821

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内容説明

瞠目の伏線回収。極上のサスペンス。

《一読して、「これは最先端の物語だ」と感じさせる。それが本作の、そしてまたハーラン・コーベン作品の素晴らしい強みだ》
《あらゆる問題が更新され続けるこの世界(中略)。そうした世界に注がれるハーラン・コーベンの眼差しは、ひとことで言うなら、限りなく「公正(フェア)」だ。あらゆる価値観が錯綜する現代において、最も挑戦的な態度の一つといっていい。》(作家・冲方丁氏の解説より)
薬物に溺れ失踪した娘を探す父。次々と標的を襲う殺し屋と同行する女。姿を消した資産家の息子を探す私立探偵。娘に薬物を与えた男。バラバラなピースがつながったとき、驚くべき忌まわしい事実が姿を現す。
フェアな目線と巧みな構成に唸り、怒濤の伏線回収に目を瞠る。そして衝撃過ぎる結末。米国屈指のヒットメーカーが放つ、極上のドメスティック・サスペンス。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のぶ

87
本書の基本は主人公、サイモンが失踪した娘、ペイジを捜す話だ。ペイジは麻薬の常習者。サイモンの妻、イングリッドは序盤で銃撃され昏睡状態だ。サイモンの孤独な捜索が続く。だがそれだけでは、600ページ以上あるこの本のストーリーをもたせることはできない。それでサイドストーリーで、標的を襲う殺し屋と同行する女。姿を消した資産家の息子を探す私立探偵等、いろいろな人物が絡み合って進行する。よく練られたプロットで、終盤にそれらが纏まっていく時に、真相が見えてくる。サスペンスと家族の物語がうまく融合した作品だった。2021/03/11

Panzer Leader

66
行方不明となったドラッグ中毒の娘を探す父親、依頼者の失踪した息子の足取りを追う探偵事務所の女性調査員、理由が分からない殺しの旅を続ける若き殺し屋カップル。一見関係がなさそうな彼らが交わる時、大いなる陰謀の渦に巻き込まれていく。どこで娘の育て方を間違ったんだろうと悩む父親に感情移入しまくりながら最後まで一挙読みのサスペンスを堪能。前に読んだ「偽りの銃弾」よりずっと面白かった。2021/08/04

タツ フカガワ

54
大学入学で親元から巣立った娘ペイジが、薬漬けの男アーロンのもとへ走り、自らもヤク中に。そのアーロンが惨殺されペイジが姿を消す。父サイモンは娘の無実を信じて独自に探し始めるが、やがて女性探偵、男女の殺し屋、カルト教団が絡んできてとんでもない事件へと発展する。親子、夫婦の絆を軸に進む物語は紛れもないページターナー。初読みの作家でしたが、ちょっと追いかけてみようかと思います。2022/04/12

オーウェン

53
サイモンは失踪していた長女の行方を捜していたが、彼氏とのいざこざによってその後死亡が確認される。 そして刑事がサイモンに嫌疑をかける。 入りから非常にテンポ良い始まりであり、あっという間に世界観に浸れる。 サイモンのパート同時に女探偵や、殺し屋のコンビのパートが交互に挟まっていく。 無関係のはずが次第に繋がっていき、最終的には意外なオチへと結びつく。 長女の失踪の謎が明らかになると同時に、彼氏を殺したのは誰かという部分に収束していく。 ラストの何とも言い難い虚無感は独特であり、良質なミステリだった。2021/05/02

キク

39
幸せな家庭のよきパパだったサイモン。でも、娘がドラッグ中毒になって失踪してから、次から次へと困難が襲ってくる。ネットで叩かれ、妻が撃たれ昏迷状態になり、子供達との血の繋がりに疑惑が出てくるし、、。同じ父親という立場柄、「パパさん、負けんな!家族の為に踏ん張れ!」と感情移入しまくりながら読んでました。関係者が複数名亡くなったけど、サイモンは家庭を守り切っていた。いや、実際の話、心穏やかな家庭を築くのって、心穏やかな決意だけじゃ足りない場合だってあるよな、確かに。20年父親をやってる実感として、そう思いました2021/01/26

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