内容説明
Ｐ国公使館の角を曲った千草検事の前に、いきなり飛びだしてきた若い女性は、幼児が誘拐された、とつげる。５００万円の身代金を要求する脅迫状も、発見される。身代金は、刑事の監視の中で手渡されるが、持参した母親が、殺害されてしまった。家族をも巻き込む熾烈な企業競争を背景に、綿密に仕組まれた犯罪を追求する、本格ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みどり
5
余りにも昔の本。そしてこれを読んだ記憶がうっすらと在るが、絶版になっている。 まだ、DNA鑑定もなければNシステムどころか、防犯カメラもないような時代に、誘拐殺人犯とそれを追跡する刑事。 今読んでも面白い。 ただ、今の人には「情報統制」されている時代の話などまったく理解できないだろうな、とか「２４時間働けますか」が時代の最先端でそれが「美しいこと」とされていたなど、きっと信じられないと思う。その分、理解ができるのかなって。 2022/01/05
