岩波文庫<br> うたげと孤心

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岩波文庫
うたげと孤心

  • 著者名:大岡信
  • 価格 ¥1,001(本体¥910)
  • 岩波書店(2020/11発売)
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  • ISBN:9784003120224

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内容説明

詞華集の編纂,歌合,連歌といった古典詩歌の創造の場としての「うたげ」,これに対峙する創作者たちの「孤心」.『万葉』『古今』,そして『梁塵秘抄』等々,日本詩歌史上の名作の具体的な検討を通して,わが国の文芸の独自性を問い,日本的美意識の構造をみごとに捉えた名著.豊饒なる詩のこころへの誘い.(解説=三浦雅士)

目次

序にかえて 「うたげと孤心」まで┴歌と物語と批評┴贈答と機智と奇想┴公子と浮かれ女┴帝王と遊君┴今様狂いと古典主義┴狂言綺語と信仰┴あとがき┴この本が私を書いていた 同時代ライブラリー版に寄せて┴《解説》「うたげと孤心」を支えるもの(三浦雅士)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

92
最初は「スバル」に連載されていたものが単行本になり、岩波同時代ライブラリーとなり、さらに筆者がなくなったいま古典として岩波文庫に収録されました。異常に内容の濃い、日本の古典といわれる詞華集などの論考を通じて美意識などを分析しています。学生時代はさまざまな批評家の文献を読みましたが、最近はトンとご無沙汰でした。いまの高校生などには難しいのかもしれませんが教科書や大学入試の文章にもってこいの部分がかなりあります。2017/11/15

わたなべよしお

20
 ごく単純にいうと、日本の詩歌は「うたげ」、人々の集いの中から生まれるが、「孤心」、屹立する孤独な精神の持ち主でないと、優れた作品にはならない、というようなことが言いたいことのようだ。さほど新鮮さを覚えない主張だし、その書き振りも、あちこちを放浪しているようで、とりとめがない感じだ。だが、後半、後白河院と梁塵秘抄の話になると、俄然、面白くなる。そして、最後の最後には、やはり、その内容、書き振りの見事さにうーんと唸ってしまうのだ。やっぱり凄いね、大岡信さん。2024/10/02

toiwata

6
読むにも力量がてきめんにあらわれるということがわかる一冊。歌の贈答の並べ方の違いからそれぞれの意図をほぐして読み解いて行く練達、後世の史家を惑わせる何事も書き記されていない近代に至るまで幻の書であった梁塵秘抄から通俗的な意味ではない権力者の孤独に迫る筆致。2017/11/06

袖崎いたる

4
タイトルにあるように「うたげ」という原理を日本文学に見ている。そこには孤心のニュアンスも表裏一体となっている。うたげとは、自作をアピールする場のことで、その創作のプロセスには批評も伴い、その批評家精神は否応なしに自身へと向かわせるものであるわけで、ここに孤心の宿りがあるというわけ。平安期における和歌の地位だったり、その和歌の評価軸が社会的に評価に直結したり、その社会がしょせん京都の貴族うちの範囲でしかなかったために多様性に富んでいないどころか、むしろ各位の特殊性を解消する方向で『古今集』を編集してたりして2025/03/30

大臣ぐサン

3
初出は1973~74に季刊文芸誌『すばる』で連載され、1977年「うたげと孤信」としてまとめられた。その後、1990年には岩波同時代ライブラリー、2008年岩波現代文庫を経て2017年に岩波文庫の一冊に収められた。40年の間にこれだけ版を重ねるとは本書の与えた影響の大きさが感じられる。2021/05/10

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