登録有形文化財 - 保存と活用からみえる新たな地域のすがた

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登録有形文化財 - 保存と活用からみえる新たな地域のすがた

  • 著者名:佐滝剛弘
  • 価格 ¥2,970(本体¥2,700)
  • 勁草書房(2020/12発売)
  • ポイント 27pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326248469

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内容説明

地域おこしの拠点としての役割も担う登録有形文化財、地域の歴史や文化と強く結びついた1万件を超える登録物件の多様性がそのまま多様な利用法に現れており、地方創生や観光資源の再発見に注目が集まっている。本書は、全貌を俯瞰するはじめての一般書であり、多様で奥深い世界へいざないその魅力を余すことなく伝える。

目次

はじめに
 「登録有形文化財」を目にする機会
 「世界遺産」へのアンチテーゼとして
 この本が目指すもの──地域づくりへのアプローチ

第一部

第一章 登録有形文化財の多様性
 生活に密着した施設──1.火の見櫓
 生活に密着した施設──2.病院
 生活に密着した施設──3.遊郭
 地域のランドマーク──1.東京タワー
 地域のランドマーク──2.大阪城
 稀少価値の高い施設──1.国立天文台の観測施設
 稀少価値の高い施設──2.広島の時報塔
 稀少価値の高い施設──3.日清戦争の凱旋門
 稀少価値の高い施設──4.清水港テルファー
 稀少価値の高い施設──5.木馬、ラジオ塔、観覧車

第二章 登録有形文化財とは?
 国の文化財制度
 登録有形文化財の誕生
 登録有形文化財の条件
 登録までの道筋・手続き
 登録有形文化財の証、緑のプレート
 登録の記念式典に参加する
 登録による優遇措置
 登録有形文化財の都道府県別の登録状況
 登録有形文化財の多い町少ない町
 「件数」の数え方
 そのほかの分類
 登録有形文化財の一覧はどこに?
 <コラム1>イギリスの登録文化財制度

第二部

第三章 文化財としての個人の住宅
 「民家」というジャンル
 筑後平野の至宝「多田家住宅」
 信州・須坂の「田中本家」博物館
 北方文化博物館となった新潟の豪邸
 月に一度の公開 和泉の豪農 山田家住宅
 各地に残る洋館

第四章 建築家たちの競演
 白壁の街に建つ丹下健三作品
 伊東忠太が建てた奇抜な建築
 「関西建築界の父」武田五一
 中部地方の武田作品
 ヴォーリズの建築群 滋賀県に集中
 滋賀県以外のヴォーリズ建築
 <コラム2>メディアに登場する登録有形文化財

第五章 最大の特徴は「個性的」であること
 戦争の歴史を背負う
 特攻基地知覧の文化財
 ハンセン病療養施設に残る文化財
 地下にある文化財──横浜と神戸の水道施設
 上高地にある山小屋と養魚施設
 廃墟と美術館──二つの発電所の落差
 県境で二県に分かれた保育園
 水を等分に分ける
 <コラム3>トイレの神様

第六章 有名施設・著名観光地を補完する建物群
 出雲大社・嚴島神社・金刀比羅宮の裏に建つ宝物館
 京都国立博物館に建つ収蔵庫
 世界遺産仁和寺の御所
 有名城郭に建つ登録有形文化財
 下関の老舗料亭
 <コラム4>世界遺産と登録有形文化財

第七章 今も発酵を続ける建物群──醸造王国にっぽん
 世界に広がる醸造の文化と文化財
 酒蔵の街、肥前浜
 単独でほれぼれする蔵元
 醤油や味噌は和食の基本
 薬用酒とみりんの奥深い世界
 酒造メーカーの文化活動
 近代の醸造──ワインとビール
 ビールを造る赤煉瓦──門司と半田
 <コラム5>各都道府県の「登録第一号」

第八章 地域とともに生きる鉄道
 銅を運んだわたらせ渓谷鐵道
 登録有形文化財を前面に売り出す、天竜浜名湖鉄道
 沿線人口が少ない若桜鉄道の試み
 名駅舎の数々
 無人駅から特急の停車駅へ
 役目を終えた駅舎たち
 圧巻の旧北陸線のトンネル群
 最新の鉄道文化財──二〇一六年登録の千葉・小湊鐵道の戦略
 駅ナカ婚活に駅ナカ寺院、北条鉄道の生き残り戦略
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みーさん

6
専門家向けの本だった。イギリスやメディアに出てくるもの、有形文化財になっているトイレについてなど、興味深いコラムも、私にはもう少しわかりやすいほうがありがたい。2019/02/21

Koki Miyachi

3
登録有形文化財とは何かというシンプルな疑問に応え、様々な事例を詳しく解説している。説明は専門書にありがちだが淡々としていて味気ない。論文調ではなく、もう少し楽しく読める文章だとよいのだが。文化財に「泊まる」、街ぐるみで登録文化財を活用、といった参加型の取り組みの紹介は興味深い。もっとクローズアップしてもいいのではないか。2018/09/03

志村真幸

0
 著者は産業遺産や世界遺産の専門家。  本書は、国の有形登録文化財について包括的に紹介された最初の本。著者は1万件も訪ねており、その豊富な体験を惜しみなく語ってくれる。  登録有形文化財の制度や今後の可能性について、公平な立場から論じられている。実態はよく知らない人がほとんどだと思うが、読み終えたときには、だいたいわかっているはず。  個人住宅、鉄道関連、生糸関連、学校、宗教施設などに分け、魅力的な施設が次々と紹介されるのもいい。群馬県庁昭和庁舎、浜松の凱旋門、児玉町旧配水塔、南方熊楠旧邸などなど。 2018/01/03

インテリ金ちゃん

0
登録有形文化財を後世に残して行くために、今何ができるか考え、実行してていきたい。2019/06/06

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