内容説明
責任の判断と、それに関わる非難の行動はどのような心理によって形成されるのか。社会心理学の研究成果によって一般の人の理解の仕方を明らかにし、専門家の考えとどこが共通しどう異なるのかを論じる。一般の人の法意識の解明とその学際的な応用によって、裁判員制度の適切な運営や法教育の深化といった現今の課題に資することを目指す。
目次
はしがき[唐沢穣・松村良之・奥田太郎]
第I部 責任と非難
第1章 社会心理学における責任判断研究[膳場百合子・唐沢穣・後藤伸彦]
1.社会心理学における責任判断研究の展開
2.責任判断過程のモデル
3.責任判断の文化差
4.まとめ
第2章 「組織の責任」と素朴法意識[唐沢穣・塚本早織]
1.組織に責任を問うとは?
2.意図認知の一般的原理
3.集団意図認知の規定要因
4.実証的検証の可能性
5.まとめ
第3章 個人の行為に対する組織の責任[膳場百合子]
1.はじめに
2.責任判断の論理
3.組織と個人の責任
4.成員の行為に対する組織の責任のモデル
5.調査1――国内調査
6.調査2――日米比較調査
7.まとめ
第4章 対人間および集団間の非難と赦し[後藤伸彦]
1.非難の規定要因
2.赦しの規定要因
3.非難と赦しの共通点
4.まとめ
第II部 法の意識と教育
第5章 法学における「法意識」への問題関心――歴史,概念,発展
1.日本法社会学と法意識研究[松村良之]
2.「法意識」の概念の再構成[木下麻奈子]
3.法教育の展開と法意識・法知識の教育[藤本亮]
第6章 責任帰属をめぐる認知――法の専門家と一般人の比較[松村良之]
1.研究の意義と位置づけ
2.調査の概要
3.全体の概観
4.損害の負担割合
5.法人処罰
6.組織の擬人化
7.結びにかえて
第7章 正義と法の発達心理学[長谷川真里]
1.発達心理学とは何か
2.道徳性の起源
3.道徳判断
4.市民参加と社会の文脈における道徳
5.結論,示唆,将来の方向
第8章 ルール遵守の促進要因と抑制要因[村上史朗]
1.「道具的」なルール
2.ルール遵守を促進させる難しさ
3.行動の変容に向けて
4.フレームによる効果
5.今後の展望
第9章 規範意識と道徳教育[奥田太郎]
1.規範意識を取り巻く言説
2.道徳教育は規範意識を向上させるか
第III部 責任と法
第10章 責任の概念と法人処罰を巡る議論――現状の一つの素描[今井猛嘉]
1.本章の目的
2.責任の意義――刑法学での議論の状況
3.法人(組織)の刑事責任
4.展望
第11章 責任と法意識をめぐる人間科学的考察[奥田太郎・唐沢穣・松村良之]
1.哲学における責任という問題群
2.本書を捉え直す
あとがき[唐沢穣・松村良之・奥田太郎]
人名索引
事項索引
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