集英社オレンジ文庫<br> 乙女椿と横濱オペラ

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集英社オレンジ文庫
乙女椿と横濱オペラ

  • ISBN:9784086803502

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内容説明

まだ古き世の名残が尾を引く開明の時代、明治45年。横濱。女学生の紅の父親が持つ長屋には、いつの頃からか、ひょろりと痩せた京訛りの青年絵師が住みついていた。紅が幼い頃から長屋に暮らす時川草介というその青年は、幼い頃に神隠しにあったことがあり、そのせいか怪異を見ることができるという。あるとき、紅の許嫁だった好青年・一谷誠一郎が行方不明となり、草介に助力を求めたが……?

目次

一 椿の神隠し
二 リボンの花幽霊
三 狗神の恋

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しゅてふぁん

52
いつもはひょうひょうとしている草介さん。なにやら複雑な事情を背負ってそうだなと思っていたけど予想以上に込み入ったものだった。紅やその家族は暖かいね。紅が甘いものを手に提げて草介さんに厄介ごとを持っていく日常がいつまでも続きますように。2021/02/21

よっち

44
明治末期の横濱。まことの恋に憧れる女学生・紅の周りに怪異が起こり、父親の長屋に住みついている青年絵師・時川草介と事件を解決する怪異譚。男爵屋敷の椿によって神隠しにあった紅の許嫁の真相、さまよう女学生の亡霊、古き狗神の祟り。新聞記者の兄の助けも借りながら、怪異を見ることができる草介と好奇心旺盛な紅の二人で事件の真相を調べる展開で、一見ぐうたらに見える草介が抱える訳ありの過去と、そんな彼をいろいろ言いながらも世話を焼く紅の腐れ縁的な関係がなかなか良かったです。草介はもしかしてあの絵師さんの子供なんですかね…?2020/12/23

ぽろん

42
以前、神隠しにあったという、訳ありの長屋の住人草介と彼を慕う大家の娘、紅の関係がほのぼのとして良いです。そこに文明開化の匂いとこの世の物ではない出来事が描かれて、私好みでした。ラストの椿の花言葉が素敵。末永く、二人が結ばれますように。2021/04/11

ぐっち

32
身の回りの怪異に首を突っ込むおてんばな紅とやる気なさそうで面倒見のいい草助のコンビが良いですね。あとシスコンなお兄ちゃんが好きです。3話目の82歳にはハラハラしましたが、そういうことか~。。コメントに続きが出てほしいと書いている方が多く、続くとよいですね。2021/01/09

mariann

29
想像とは良い意味で違った。そっか、怪異の話だったんだ。大好物やん(笑) 猪突猛進な紅に最初は戸惑ったりしたけれど、思いの外しっかりと自分の目で見て考えるお嬢さんだった。1話目の失恋はこちらも少しキュッとなったわ。そして草介さんが魅力的で!最後の自分語りが切なくて、全部ひっくるめて楽しい読書時間だった。2022/06/15

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