内容説明
次々と不可解な連続殺人事件が起こり、被害者のいずれもが、鈍器で殴殺されたと推定された。第一犯行現場の唯一の遺留品は、「細い赤い糸」。被害者の頭部に付着していた。被害者同志、何の面識もなく、犯行動機がつかめない。ただ、手口の類似が、同一犯人の犯行を裏付ける。「細い赤い糸」に秘められた殺人の謎を追う、本格推理長編。日本推理作家協会賞受賞作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
cinos
7
4つの事件のミッシングリンクが最後の最後までわからず、一気読みしました。構成がいいですね。ラストが寂しすぎます。2016/08/20
浅木原
3
四章それぞれ別の話が語られ、各章ごとに語り手が同一の手口で殺される。被害者を視点人物に配しながら被害者同士の繋がりが見えないという非常に技巧的なミッシング・リンクもの。真相は要するに貫井徳郎の某作品なんだけど、やってることのレベルでは半世紀前のこの作品の方が上じゃないですかね。個々の話はいささか地味で、真相の明かし方まで含めて個人的にはもうちょい派手さが欲しいんだけど(この時代の作品に言っても仕方ない)、さりげない描写が最後に思わぬ像を結ぶ真相の持つ問題意識は古びていないのが最大の美点かな。面白かった。2015/05/21
OHta
2
ただ一言、巧い。芸術的というよりはデザイン的に洗練されたプロットが光る一冊です。さすがは推協賞受賞作。一切の無駄を省いた重厚な文体が紡ぎだす意外な結末に驚きました。終章にあたる第4章は終始解決に費やすんだろうなあ残りページ数少ないし、と勝手に思ってましたがいきなり新キャラが出てきたので唖然としました。いやいや!これホントに終わるん?との心配をよそに鮮やかにまとめてくれました。これぞ職人技。いやあ巧い。2016/02/25
丰
0
Y-202002/02/14
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