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内容説明
「昭和」には生きるヒントが詰まっている!
「生きていれば、きっといつかいいことがあるはずだ」――人々が楽観的かつ貪欲で、明日へのエネルギーに満ちた「昭和」という時代は、世界の歴史の中でも特に興味深い時代だったとヤマザキマリは語る。先を見通せない不安と戦う今、明るく前向きに生きるヒントが詰まった「昭和」の光景を、様々な角度から思い出しながら丁寧に綴った考察記録。ヤマザキマリ流・生き方指南。巻末に「ヤマザキマリ年表」付き。
「私にとっての昭和がサバンナだったとすると、そこで培ったエネルギッシュな精神はその後イタリア、シリア、アメリカといったそれぞれまったく要素の違う国々に移り住んできた私の、世の中なんでもあり、という適応力につながったと言っていい。様々な不条理と向き合わされ、孤独に打ちひしがれてもなんとか頑張ってこられたのは、あの時代の人々の暮らしや漫画やテレビなどからタフに生きることの重要性を学習できていたからだろう。
移り変わる時代の中で、ときどき、過去の人々の思想や社会のあり方が現状の問題解決に対しての良いヒントとして活かされるように、昭和にもそういう要素はいくつもあるはずだ」──あとがき「昭和というサバンナ」より
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nat
53
図書館本。ヤマザキマリさんの著書が好きで、図書館で見かけたので読んでみた。マリさんの人生の波瀾万丈さをあらためて納得。終盤の運動会の徒競走で順位をつけなくなった学校がでてきたことでそんなことで平等を示唆する不自然さを感じるという主張に同意。努力や頑張りの度合いが決して結果に結びつくわけではないという不条理を子供の頃から感じる場面がどんどん減ってきていることで精神を鍛える機会は益々減ってきていることだろう。マリさんが60歳くらいで漫画から少し離れて油絵を描くのか養蜂家になるのか何をするのか楽しみにしている。2022/11/30
ドレミ
21
面白かった。山崎さんのことは、イタリア在住のテルマエ・ロマエの漫画家さんという情報しかなかったが、子供時代の懐かしい話や、お母様が、札響の女性初のメンバーだったこと、山崎さんのこれまでの人生。飾ることなく、思いを書かれていて、様々な考察についても、納得できて、よかった。視野を広げていきたいな、と思わせて貰った本。2021/03/10
あまね
20
昭和の『そうそう‼️あったね‼️あった‼️』が満載の本書。ヤマザキさん、本当によく覚えてらっしゃいます。ヤマザキさんの文章と共に『あの頃』の空気や懐かしさまで伝わってきました。こうした文章を書けるところが、絵を描く観察眼にも繋がっているのだろうなと拝察します。そして、やはり彼女の生き方を根っこで支えているのはお母様なのだなと思ったエッセイもありました。『昭和はサバンナ』だと仰るヤマザキさん。そのサバンナを私も生きてきたはず(笑)これからは少しはっちゃけて生きてみたいと思いました。2023/01/26
Prince of Scotch
20
近年、「多様性」という言葉が市民権を得てきているが、日本でその意味がきちんと理解され受容されているかは疑問である。自身を顧みると多様性より均一性に安心してしまう「島国根性」丸出しの人間ではないかと。“反逆的精神を持った人間は必要とされない国”(218ページ) はまさにヤマザキ氏の仰る通り。日本では、何かを判断する際、「空気を読む」ことが最優先され、合理性や寛容性は二の次のような気がする。敢えて言うなら、まだまだ「一致団結箱弁当」の社会なのだろう。2021/08/21
魚京童!
17
ロシアは偉大だった。昭和はよかった。何がちがうんだろうね。不安な時代の生き方として、過去を肯定して、隣国に攻め込んだら世話ないよね。2022/03/09