内容説明
人はなぜ生きるのか――。緩和ケア医として多くの終末期患者たちを看取ってきた40代の医師に下された「末期がん」の宣告。患者たちと立場をともにしたとき、医師は初めて命の何たるかを理解した。余命を意識しながら仕事と向き合い続ける医師が語った、「運命」の受容と抵抗のノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
真香@ゆるゆるペース
150
緩和ケア医として1000人以上のがん患者を看取ってきた著者が、脳転移あり・ステージ4の肺がんと診断される。生存期間中央値(50%の患者さんが亡くなるまでの期間を示すデータ)の数値は2年。しかしながら、必ず2年持つ保証はなく、来たるべき時までどう過ごしていくのか、がん患者になって初めて分かったことなど、医師と患者両方の視点から興味深い話が綴られている。医師としても人としても素晴らしい方で感銘を受けた。僅か40余年での不治の病は、ご本人やご家族の苦悩は読み手の想像以上だと思う。どうか1日でも長く生き抜いて。2020/09/15
trazom
101
43歳でステージ4の肺癌を宣告された緩和ケア医の思いが切々と綴られている。その誠実な文章を読み、表紙の爽やかなお顔を見ると、感想など何も書けない。本書で紹介された言葉を引用してレビューとする。「最善に期待し最悪に備える」(ディズレーリ)、「良き死は、逝く者からの最期の贈り物となる」(デーケン)、「たとえ世界の終末が明日であっても、私は林檎の木を植える」(ルター)、「人は生きてきたように死んでゆく」(柏木哲夫)、「クレッシェンドに生きる」(日野原重明)、「あなたはあなたであるから大事なのです」(ソンダース)2020/10/20
ぶち
84
読友さんのレビューを拝見して、手に取った本です。 緩和ケア医として多くの終末期患者たちを看取ってきた40代の医師に下された"末期がん"宣告。同じ立場にならないと、余命少ない患者たちの心情を本当の意味で理解し、共感する事は難しい。何人もの患者を看取ってきた医師でも、自身の余命を意識したとき初めて命の何たるかを理解できたそうです。自分ががんになったからこそわかることが包み隠さずに書いてあります。そこには、死から逃げるだけでなく、良く生きるためのヒントがたくさんありました。2025/01/27
けんとまん1007
73
心に、身に沁みる内容。他人事ではないから。改めて、人(ヒト)とは・・・と考える。単に、強さ・弱さということではないものが綴られている。知ること、知らせること。伝えること、伝わること。揺れ動くこころを、あるがままに受け入れることから。2020/11/22
とよぽん
66
43歳の働き盛り、一男一女の父、緩和ケア医師、関本クリニック院長の著者。2019年10月、ステージ4の肺がんで脳転移も確認された。生存期間中央値は2年・・・何と苦しく辛い現実! 在宅での看取りを通して患者さんの人生の終末を伴走する関本医師の、崇高な覚悟と誇り高い生き方が胸を打つ。どうか、その素晴らしい生き方を、命の輝きを一日でも長くと祈るばかりだ。2020/12/04
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