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内容説明
世界最貧国を捨て日本で栄光を手にした稀代の経営者・重光武雄。重光がいかにして、一代で巨大財閥「ロッテ」を築き上げたのか。幅広い取材から、その真相に迫った本書は、単なる人物評伝の域を超え、ビジネスにおける差別化と競争戦略、さらにオーナーシップや独創性を物語る「マネジメントの手本」となる一冊だ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
87
日本統治下の韓国を飛び出し、日本でロッテを創業した重光武雄(辛格浩)さんの物語。日韓の橋渡し役を担うも、晩年には、家族とともに韓国政府から断罪される人物の波乱万丈の人生である。確かに、日韓の黒幕的な活動や晩年の家族との確執など、闇の部分が強調されがちな人生だが、本書は、重光氏のビジネスマンとしての成功要因を、的確に描いている。「一生懸命働いたこと」「誠実であること」「嘘をつかないこと」と自ら述べる氏の生き方が、「若きウェルテルの悩み」のシャルロッテから社名を採るという情熱的な人柄とともに、心に残る。2021/03/01
美東
15
タイトルには「論」とあるが、最後を締めくくる「第15章 重光武雄の経営論」を除いて、ほぼ「伝」といった内容である。2021/05/23
templecity
12
ロッテ創始者である重光武雄は在日一世。教育を受けたいために日本に来て早稲田に学ぶ。生活費・学費を稼ぐために人を雇って新聞配達を行う。その頃から商売の眼があったのであろう。世話になった日本人に恩返しするためにガムから始まって食料品メーカを立ち上げる。ガムの競合でハリスがあったが、重光を在日なので信用できないなどと噂を流したりするが、在日で苦労したものも多かったのであろう。韓国の儒教思想の中で育ったこともあり、故郷への恩返しも念頭にあったようだ。(続きあり)2021/06/13
hideto
7
子供の頃からガム、チョコを食べて育ち、非常に身近な存在だったロッテ。それが物心ついた頃からは、なぜ日本にはないような大きな遊園地(ロッテワールド)が韓国にあるんだろう?と不思議に思っていました。自分に取っては謎の会社だったロッテを一代で築き上げた重光武雄の生涯を追ったノンフィクションです。特に、単身日本へ渡り、製菓メーカーを興す流れは劇的そのもの。大変な努力家だったことがわかります。一方、これほどの企業を作りながら、晩年は多くの創業者がそうであるように寂しさが漂うものに。色々と考えさせられた内容でした。2021/01/15
aki
5
自分の中ではお菓子とプロ野球のイメージがあるロッテ。本書は、ロッテの企業の歴史を広く浅く綴っている。人間模様みたいなのがあまり書かれていないので、読み応えとしてはいまひとつ。ロッテが日本と韓国に作られた経緯や球団を持つようになった理由などが分かった。2021/06/26