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内容説明
働き盛りの人にとって、自分の老後は常に他人事だ。自分に老後は永遠に来ない、仮に老いたら、その時はピンピンコロリだ……なんて甘い考えは通用しない。気づいたら寝たきりになり、自分の望みは一切叶えられず、「こんなはずじゃなかった」と後悔する。では、それらを避けるにはどうすればいいのか。「〈子沢山だから老後は安泰〉は大間違い」「世間の物差しで生きると、死に際に後悔する」「人は最後に本音を残す」「老後は人生の総決算」「老いを先取りする」等々、老親を介護し、看取った著者が、その経験から後悔しない老後の迎え方を徹底論考する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
クリママ
56
タレントで作家である著者が、両親の介護経験から後悔しない老後を考察する。懸命に介護した人ほど自責の念にさいなまれる。それを他人からの一言で救われることがある。「孝行とは親のためにあるのではない。孝行する側のためにある」。その通りだと思う。そして、介護する側からの経験談の多い中、この作品は、介護される側に視点を転じて、その苦しみを指摘する。孤独感にさいなまれ、自分が望むように介護してもらえず、苛立つしかない悲しみ。すべてに賛同するわけではないけれど、老いを迎える心構えを示唆される、大変有意義な本だった。2021/10/28
おか
54
ヘルパーという仕事をしていることと、自身が70歳を超えたことにより 介護をする立場とされる立場から考えられる様になった。する立場からすると どうやったら利用者さんが心地よく思ってくれるか、今一体何を欲しているのか 何をして欲しいのかを考える事が多くなった。そしてされる立場になったら、著者のお母さんと同じ様に「違う!それしないで!」と若いヘルパーに叫ぶ私がいます。きっと私はうるさい利用者になるだろうなと予測できます(笑)見方や気づき方は教えても わかってはもらえない事の方が多い。→2022/01/09
とよぽん
54
遙 洋子さんの腹底からの叫びが聞こえるような1冊だった。老い衰え、弱者となっていく(今のこの社会では)ことに、覚悟を迫る。要介護者になるか否かは誰もわからないが、それまでの自分の人生を生ききった,手応えのある充実した人生だったと思える、そんな生き方をしようと。激しく、厳しい言葉から、後悔しない老後の迎え方を考えさせられた。40代からの心身の準備が必要、とあって60代に入った私は少し焦った。2021/10/12
KEI
40
読友さんのレビューで知った本。二人の母達が出来ない事が増えて介護は他人事では無くなった。本書は実際に親や兄の介護をして、介護者や被介護者の問題について書かれていた。いかに良い最期を迎えるかは、看取る人にも大きく影響する。また介護者も被介護者をいかにしっかり「見て」「気付く」「関心を持つ」が大切だ。介護者はイマジネーションが大切なのだと思った。また自分の人生が満足出来る為には若い頃から健康に留意する事が書かれてあった。私もPPKを望んでいたが、それは甘い考えだと分かった。死に際に後悔しない様にしたい。2021/11/13
薦渕雅春
35
帯の「親の老後は、自分の老後の未来図。」に、成る程と思う。はじめに、には「親の老後とは、目を背けずに思考すると、自問自答する契機になる。」「親の介護や看取りほど、自分の情愛や冷酷さ、身勝手さや弱さ、恋慕や未練を思い知るものはない。」と。自分自身と父親との関係を見つめ直す為にも読んでおこうかと。本文中「孝行とは、親や高齢者のためにあるのではない。孝行する側のためにある。」との表現にも納得。自由に生きたか、心身が健康に生きてこられたか、物質的のみならず目に見えないものの豊かさを味わってきたか、も大事かと思う。2021/06/21
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