内容説明
第二次安倍政権が2012年末に誕生して以降、権力とメディアの関係は大きく変わった。権力がメディアに露骨な態度をとるようになった理由は何か。権力を監視するはずのメディアが、その役割を放棄しているかのように見えるのはなぜか。この問題を解くカギは、アメリカにあった――。「安倍政権にひれ伏す日本のメディア」(2016年刊)に、トランプ大統領誕生、コロナ禍によりアメリカで起きているメディア対権力の戦い、そして安倍政権への忖度が繰り返される日本のメディアの現状を追加した増補改訂版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
84
虚実の情報が氾濫する時代だが、NYタイムズ元東京支局長の著者の指摘は、極めて納得感がある。メディアが権力のチェック機能を果たせていない日本の現状を、民主主義の危機だと警告。政権によるメディア・コントロール以上に、メディアが連帯してそれに反発しない状況が問題だと言う。各社の縄張り意識を捨て「ジャーナリズム」という一点で団結しなければ、政権の思う壺じゃないかと。日本学術会議の任命事件の時、私は、唯々諾々と受令した99人の方が気になった。政権からの不当な圧力に連帯して抵抗しないのは、学者もメディアも同じなのか。2021/01/27
竹園和明
29
吉田拓郎の「アジアの片隅で」という曲に“闇で動いたカネを新聞が書き立てるだろう”という歌詞がある。かつて新聞は政治の不正を糺す為の重要な役目を担っていた。しかし第二次安倍政権以降、大手新聞は官邸に阿り肝心な問題を殆ど報道しなくなってしまった。またTV局のお偉方が首相と仲睦まじく食事する一方で、政府に批判的なコメンテーターを降板させる事態が続いた。放送法を盾に圧力をかける政権と自ら擦り寄る報道機関。この関係がどういった事態を招くかは推して知るべしだろう。矜持を失った吠えない犬に、何の価値があるのだろうか。2021/04/18
Isamash
24
2009〜2015ニュヨークタイムズ東京支局長だったマーティン・ファクラー2020年発行著書。著者の主張は至極まともだと思ってしまう。ただ従軍慰安婦の捏造事件で他社新聞がこぞって朝日を攻め立てたことへの驚きには、こちらも驚かされた。右寄りのFOXであろうとリベラルなCNNであろうとメディアへの権力介入には当然ながら協力して戦うとのこと。米政府の機密漏洩へのメディアへの圧力の掛け方の凄まじさも知らなかった。日本政府はまだ大したことがないらしい。それでも易々と手なづけられてしまう新聞社に危機意識を持っている様2025/02/08
こも 旧柏バカ一代
19
いやはや、進んでると思ったアメリカのジャーナリズムも受け取る側を操作すると、ここまで質が下がるのか。。それでも権力者への番犬として吠える事は忘れてない。それに比べて日本は、、番犬ですら無い。躾が良く寄り添って全く吠えない。。。盲導犬か?2020/12/24
Matoka
11
おもしろかった。日本の主要新聞の立ち位置を全く理解できていなかったしそれどころか誤ったイメージを持ってたことに気付かされた。勉強になりました。2024/08/21
-
- 電子書籍
- 太子妃なんて絶対にイヤです!【タテヨミ…
-
- 電子書籍
- 終末世界でレベルアップ【タテヨミ】第9…
-
- 電子書籍
- ふかふかダンジョン攻略記 ~俺の異世界…
-
- 電子書籍
- 棟広馬券塾 7日間で学べる京大式万券ワ…
-
- 電子書籍
- 古布に魅せられた暮らし 椿色の章 学研…