吠えない犬 安倍政権7年8カ月とメディア・コントロール

個数:1
紙書籍版価格
¥1,320
  • 電子書籍
  • Reader

吠えない犬 安倍政権7年8カ月とメディア・コントロール

  • ISBN:9784575315820

ファイル: /

内容説明

第二次安倍政権が2012年末に誕生して以降、権力とメディアの関係は大きく変わった。権力がメディアに露骨な態度をとるようになった理由は何か。権力を監視するはずのメディアが、その役割を放棄しているかのように見えるのはなぜか。この問題を解くカギは、アメリカにあった――。「安倍政権にひれ伏す日本のメディア」(2016年刊)に、トランプ大統領誕生、コロナ禍によりアメリカで起きているメディア対権力の戦い、そして安倍政権への忖度が繰り返される日本のメディアの現状を追加した増補改訂版。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

83
虚実の情報が氾濫する時代だが、NYタイムズ元東京支局長の著者の指摘は、極めて納得感がある。メディアが権力のチェック機能を果たせていない日本の現状を、民主主義の危機だと警告。政権によるメディア・コントロール以上に、メディアが連帯してそれに反発しない状況が問題だと言う。各社の縄張り意識を捨て「ジャーナリズム」という一点で団結しなければ、政権の思う壺じゃないかと。日本学術会議の任命事件の時、私は、唯々諾々と受令した99人の方が気になった。政権からの不当な圧力に連帯して抵抗しないのは、学者もメディアも同じなのか。2021/01/27

竹園和明

28
吉田拓郎の「アジアの片隅で」という曲に“闇で動いたカネを新聞が書き立てるだろう”という歌詞がある。かつて新聞は政治の不正を糺す為の重要な役目を担っていた。しかし第二次安倍政権以降、大手新聞は官邸に阿り肝心な問題を殆ど報道しなくなってしまった。またTV局のお偉方が首相と仲睦まじく食事する一方で、政府に批判的なコメンテーターを降板させる事態が続いた。放送法を盾に圧力をかける政権と自ら擦り寄る報道機関。この関係がどういった事態を招くかは推して知るべしだろう。矜持を失った吠えない犬に、何の価値があるのだろうか。2021/04/18

こも 零細企業営業

18
いやはや、進んでると思ったアメリカのジャーナリズムも受け取る側を操作すると、ここまで質が下がるのか。。それでも権力者への番犬として吠える事は忘れてない。それに比べて日本は、、番犬ですら無い。躾が良く寄り添って全く吠えない。。。盲導犬か?2020/12/24

田中峰和

9
タイトルの「吠えない犬」とは「権力を監視する番犬」の役割を捨てた日本のメディアのこと。メディアと敵対して圧力をかけるトランプだったが、インタビューには答え会見も頻繁に開くだけまし。日本最長の安倍政権はメディアが自壊する8年間だった。政権に批判的な朝日新聞は、吉田調書と吉田証言で揚げ足を取られ、他紙から総攻撃を受けた。著者によると米国ではメディア全体の問題としてとらえ、一紙だけ叩くようなことはない。読売新聞はこれを機に朝日の購読者を奪おうとキャンペーンを張ったが朝日以上に部数を減らし、自業自得となった。2021/01/31

少年隊世代

3
マーティンさんは、一部から左翼だの反日だの非難されてる。確かにネトウヨが食い付くようなことも多々書いている。だけど、ケント・ギルバートのような終始日本ベタ誉めよりも、マーティンさんの方に共感できる。マーティンさんは日本を愛してるからこそ、日本の閉鎖的なジャーナリズムを憂いているのです。ロシアや中国に勤務経験もある著者は、そこでジャーナリストとして大変息詰まる経験し、日本はそうなってはいけないと警告してる。日本に住んでると気付かないが、安倍元首相は、相当に日本のジャーナリズムを掌握していたらしい。2022/09/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/16612033
  • ご注意事項