メディアワークス文庫<br> それでも、医者は甦る -研修医志葉一樹の手術カルテー

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メディアワークス文庫
それでも、医者は甦る -研修医志葉一樹の手術カルテー

  • 著者名:午鳥志季【著者】
  • 価格 ¥737(本体¥670)
  • KADOKAWA(2020/11発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784049135282

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内容説明

この春大学を卒業し研修医となった志葉一樹。過酷な労働環境に辟易していた彼は、難病で入院中の女子高生・湊遥の自殺を思い留まらせたことをきっかけに、彼女と打ち解ける。しかし手術は失敗し、遥は死亡してしまう。
 ところが志葉が目を覚ますと、日付が手術の前日に戻っていた! 遥を救うために奮闘する志葉。だが何度繰り返しても遥の死は防げない。絶望的なループの中で志葉が見出した真実とは? 現役医師が医療現場の現実と“希望”を描いた感動の医療ドラマ!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うまる

36
医療×時間物。現役医師が医療現場の過酷さや医師を家族に持つ者の苦悩をリアルに描いていてとても面白かったです。序盤は軽い感じだけど、タイムリープが始まってからは結構壮絶。何度も助けられない絶望感があり、これぞ人のためにタイムリープを繰り返す話の醍醐味という感じでした。日本の医療の問題点も上げられており、これからも医療業界で生きていく若い医師の憂いを凄く感じました。医療従事者は神様でも天使でもなく、ひとりの人間なんだという事を理解させる体制を整えてほしいものです。堅苦しくない医療ドラマ、また書いてほしいです。2021/03/06

かなかな

15
手術中に亡くなった患者を救うため何度も時間を巻き戻し、試行錯誤を繰り返すタイムループ作品。軽い気持ちで読み始めたが、後半の畳み掛け部分から始まる現代医療への問いかけが思ったよりも深刻で重みがあることに驚いた。ミステリーとしてはあっさりでどんでん返し!とはいかないが、メッセージ性のある作品なので読む価値ありです。医療は絶対的な正解がなく、その数多ある正解から一つの答えを選ぶのは患者だ。理想論になるが、医師や家族が何かを決めるのではなく患者本人がどうしたいのか。を尊重される世の中になるといいな‥2020/12/13

西澤 隆

11
医療系の大人向けの枯れた短編集の読了後、これもどうですか?と提案された本。ラノベのタイムリープものということで軽い気持ちで読み始めたが、往年の「桜宮ワールド」のはじまりのように内包されているのは「もともと無理がありすぎる構造が現場の人たちの無理を承知の働きでなんとか破綻を先送り」状態への強烈な問題提起。それだけに読了感もあのチームバチスタの奇跡に近く「これを使命感にあふれた医者の成長物語にしちゃいかん」という気持ちがやってくる。誰かの黒すぎる献身がなければ成立しない分野は、医療に限らずなんとかしないとね。2023/12/08

かっぱ

9
手術で命を落とす少女の未来を書き換える医療ループストーリー。日本の医療現場ほど凄惨な世界もない。一歩外れた世界から見る人間が覚える感情を、現実味ある医療現場を舞台にメスを入れた物語には感服。救いのない現実や突きつけられる取捨選択には同情すら覚える。人が足りない。金が足りない。生死を彷徨う命は今日にも何度天秤の上に乗せられたのだろうと考える。それでも諦めない人たちがいる。助けて欲しいという声に応えたいという人がいる。助けった人が医者を目指すかもしれない。タイトルを復唱して祈りを捧げたくなる物語だった2020/12/13

チェス

6
ミステリアスな内容。切実だよなぁ。確かに極論だけど、先のある若い人の命を優先して、とも思うけど、一筋縄ではいかないよなぁ。かんがえさせられますなぁ。2022/09/05

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