内容説明
読書と絵画を巡り、現代に生きる主人公の若手出版編集者が、時空さらには虚実を自在に行き来する。夏目漱石、ポオ、サン=テグジュペリ、そしてAI……。すべてが一つの事実に向かって収斂していく先に隠された真実とは?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆのん
69
何とも難解な物語だった。SFが苦手という事も手伝って四苦八苦しながらの読書。どの物語にいて、誰が誰なのか脳内で考えながら読み進めてゆくのに途中で迷子になり前ページに戻るの繰り返し。私には難し過ぎる作品だった。ただ夏目漱石やサン=テグジュペリ、エドガー・アラン・ポーなど馴染みのある作家の登場には心躍るものがあった。2802020/12/20
よっち
39
悩める新米編集者・未歩が遭遇した首なし死体の謎。彼女がスランプに陥っていたセンセと共に、時空さらには虚実を行き来しながら真相を追うSFミステリ。2028年、滅亡の危機に瀕した日本人とノルウェーに避難した少年・ヒカル。現代の長期間スランプ状態のセンセと友人画家Kの因縁。漱石、ポオ、サン=テグジュペリ、AIも絡めて、最初はいくつもの視点が頻繁に切り替わってやや分かりづらい点もありましたけど、それぞれのストーリー、夢と現実もまただんだんひとつに繋がっていっていくことで見えてくる結末がなかなか濃厚な物語でした。 2020/11/26
rosetta
32
★★★✮☆退屈ではないのだが読み進めるのに苦労した。多重入れ子細工の物語はどこまで複雑にするかで読者の受け入れ能力を試されるようだ。ベースは護国寺の大手出版社の新人編集者がスランプの作家に新作を書かせようとする話なのかな。そこから、世界大戦後に日本人が絶滅の対象となり殺されまくるノルウェーの漁村の話とか、作家のデビュー作「黒淵教授の優雅な遊歩」とキャラでである黒淵が勝手に動き始めたり、まだ存在しない二作目『泪のアルゴリズム』や、画家だか科学者だか分からないMの存在とか、着いて行けんわ!誰か解説して(笑)2021/02/13
ゆう
9
現実と虚構がグズグズに混じり合って、とにかく難解だった。理解できてるか怪しいのに、それでも面白くて物語に惹き込まれてしまった。2021/09/10
ふかborn
9
「夢オチ禁止」と言ったのは手塚治虫だったか誰だったか。白昼夢ならセーフなのか?しかし、こんなに話と話が入り混じった白昼夢は、確かに複数の本を同時期に読み続ける感じに似ている。本作はそんな狂った本好きと、「黒猫」シリーズの読者に対する贈り物である。要するに有栖川有栖の「学生アリス」と「作家アリス」の、あちらの作品はこちらの創作物!ってやつですよ。2021/08/22
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