内容説明
10年にわたる躁うつ病の闘病体験をつづった漫画。ジェットコースターのような波乱に満ちた人生を歩んできた著者が治療過程をたどり、躁うつ病とはどういう病なのかを渾身の漫画で伝える。躁うつ病の母(著者)と統合失調症の娘との関わりは、愛情あふれる思いとは裏腹に、病ゆえに葛藤がつきまとう。診察場面が漫画でビビッドに綴られ、主治医による専門的な解説がある。漫画と解説とを見比べることで、治療者と患者がどんな対話をして、何を胸に秘めているのか、両者の思惑が垣間見られるのも魅力。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あん
81
母親が躁うつ病で娘が統合失調症の当事者が描いたコミックエッセイ。母親が躁うつになったのは家庭と育児のせいで、娘が統合失調症になったのは、躁うつの母からの暴力や家庭不和のせいで、読んでいてとても辛い内容でした。躁うつからの回復は「三寒四温」、良くなったり悪くなったりしながらの回復だから、劇的な変化がある訳ではありません。私の周囲にも心の病と闘っている人が人がたくさんいます。周囲の理解とサポートが必要不可欠であると改めて痛感させられた一冊でした。2015/12/10
里季
51
赤ちゃんを産んでから発症した著者。私もずっと前からそういう気質だったのが産後鬱から顕著に。「浪費、エステ、怪しい宗教は要注意」だって。全部当たってる!そうだったのか・・・2020/07/03
Maybe 8lue
24
この患者の主治医からの解説が結構おもしろい。そんなおじいちゃん先生も「わしはもう診れん!」と著者に激怒することも、わかります。2020/08/10
k sato
21
躁うつ病の筆者が経験を書き下ろした漫画。躁うつ病はうつ病との鑑別が難しい。心の風邪ではなく、脳の病気。治療は主に投薬。躁うつ病には、激しい躁とうつを繰り返すⅠ型、軽躁とうつを繰り返すII型がある。筆者はII型。なのに、子どもに暴力を振るったり、自傷したり、浪費や怪しい勧誘にはまったりする躁状態もあったようで、これが軽躁なのかと目を疑った。しかし、病気のせいで家事や育児ができなくても、娘たちから愛される母親である。「役に立たなくても生きているだけでいいのかな」と悟った筆者の言葉に、救われる患者がいるはずだ。2022/12/16
み
20
タイトル借り。心というか脳は面白いです。心健やかにいたいものです。2015/07/19