内容説明
宅配便の多くは送料無料で速く確実に届く。だが、コロナ禍でネット通販は大膨張し、荷物を運ぶトラックドライバーの労働実態は極めて過酷になっている。物流ジャーナリストの著者が運転手に同乗取材し、知られざる現場を克明に描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
130
世の中、便利になりました…どこに住んでいても、注文した物が全国各地から数日で届いてしまうのですから。便利の裏には混乱が必ずある。容易に注目できるシステムが先に構築され、振り回される運送業。トラックドライバーは過酷な労働を強いられ、明らかに処理できない量の荷物を運ぶ状況の中での新型コロナ発生…。ただでさえ人手不足の中、あらゆる物流改革に挑戦。置き配、宅配ロッカー、ドローン、連結トラックなど。大手が配達しない早朝と20時以降に配達する女性は印象的。利用者として、再配達ゼロ運動に取り組まなければ。感謝しかない…2021/02/02
kinkin
107
菅原文太主演のトラック野郎シリーズという映画があった。派手なデコトラで全国を駆け巡るという内容で運転手の男気あふれるものだった。しかし今トラックドライバーは3Kいや稼げないのKがついて4Kというらしい。この本は現在の物流の担い手でもあるトラックドライバーのルポだ。私は受け取り手の都合の良い時間や場所を追求し過ぎた感がある。そこに日本人の生真面目さが加わってとにかく時間通りではなくてはならないという運送会社の方針のもと運転手が疲弊していること。その勤務体系や課題、大手通販会社や女性ドライバーのことなど。 2020/12/18
きみたけ
75
国内物流部門の担当経理として業界の実情を勉強するためにチョイスした本。著者は青山ロジスティクス総合研究所代表で物流ジャーナリストの刈屋大輔氏。ドライバーに同乗取材し、労働実態をつぶさに捉えた本格的ルポ。新型コロナが蔓延し始めた2020年11月刊行の本。まずは過酷な労働環境の改善が急務で、若年層の社員だけでなく、女性や外国人ドライバーの登用で裾野を拡げるとともに、宅配ボックスによる置き配の普及、トラックの自動運転やドローンの活用など業界のアプローチが大事だと感じました。2024/11/23
けんとまん1007
64
トラックを中心に置きながら、今の物流全体に関することが書かれていて、考えることが多い。ここ数年の環境の変化や、それに伴う社会の変化、人々の思考の変化が絡み合っている。いかにして、人間が関わる部分を減らすか・・が、テーマの一つ。それを支えるテクノロジーの在り方と、可能性とリスクを考える。と、いろいろ考えながら読んでいると、ふと浮かんだのが、そもそも購入することの要・不要や、地産地消ということ。物の移動そのものを考えるきっかけになる。2023/03/14
びす男
41
僕たちの日常は物流に支えられている。外からは見えにくいそのエッセンシャルワーカーが、危機に瀕している■トラックの助手席で取材を重ねた骨太なルポ。貨物車を操るのは、掛け値なしに高度な作業だ。乗用車を擦った時を思い出してみるといい。あれが大事故になるのだ■物流業界は2024年から労働規制が強化され、人手不足がより鮮明になる。モノが運べなくなって困るのは、僕たちであることを忘れてはいけない■働くのは生きるため。旨みがなければ立ち去るのが当然だ。本に登場したドライバーの生活に思いを馳せることを、第一歩としたい。2023/02/27
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