内容説明
福沢諭吉の最高の思想的作品「文明論之概略」を、丸山真男氏とともに読む。この中巻では、第四章から第七章までをあつかい、智徳の社会的な在り方がテーマとなる。丸山氏の講義は、福沢がここで主として活用したバックルの文明史を丹念に参照しながら、歴史と社会の認識論を中心に進められる。政教一致のイデオロギーや徳育中心主義の盲点を明らかにすることを通して、福沢の時代認識と問題意識とが鮮烈に浮かび上がってくる。
目次
第七講 文明史の方法論 第四章「一国人民の智徳を論ず」一┴第八講 歴史を動かすもの 第四章「一国人民の智徳を論ず」二┴第九講 衆論の構造と集議の精神 第五章「前論の続」┴第十講 知的活動と道徳行為とのちがい 第六章「智徳の弁」一┴第十一講 徳育の過信と宗教的狂熱について 第六章「智徳の弁」二┴第十二講 畏怖からの自由 第七章「智徳の行はる可き時代と場所とを論ず」一┴第十三講 どこで規則(ルール)が必要になるか 第七章「智徳の行はる可き時代と場所とを論ず」二