ちくま新書<br> メディア論の名著30

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ちくま新書
メディア論の名著30

  • 著者名:佐藤卓己【著】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2020/11発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480073525

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内容説明

「歴史学」は現在から過去を解明しようとするのに対し、「メディア論」は現在から未来を展望しようとする――。メディア史研究の第一人者である著者が、社会心理から政治学まで、文明論的な視座をもつメディア論の「名著」30冊を精選。「大衆宣伝=マス・コミュニケーションの研究」「情報統制とシンボル操作」「情報社会とデジタル文化」など六章にわたって解説を加えてゆく。ウェブ時代にあってメディア論を深く知りたい人にとり最良のブックガイドである。

目次

はじめに──私の選書方針
Ⅰ 大衆宣伝=マス・コミュニケーションの研究
1 ジャン マリー・ドムナック『政治宣伝』──反ナチ宣伝とカトリック宣教
2 ハンス・マグヌス・エンツェンスベルガー『意識産業』──消費財としての教養
3 小山栄三『新聞学原理』──ドイツ新聞学とアメリカ世論調査
4 ジョゼフ・T・クラッパー『マス・コミュニケーションの効果』──研究発展期の決算書
5 ジョージ・L・モッセ『大衆の国民化』──ナチズムへのシンボル政治史論
Ⅱ 大衆社会と教養主義
6 ハロルド・A・イニス『メディアの文明史』──時間バイアスと空間バイアス
7 加藤秀俊『文化とコミュニケイション 増補改訂版』──メディア論の京都学派
8 ウォルター・J・オング『声の文化と文字の文化』──言葉と思考のテクノロジー
9 リチャード・ホガート『読み書き能力の効用』──原点カルチュラル・スタディーズ
10 ニール・ポストマン『子どもはもういない』──教育と文化への警告
Ⅲ 情報統制とシンボル操作
11 清水幾太郎『流言蜚語』──潜在的輿論としてのうわさ
12 ハドリー・キャントリル『火星からの侵入』──パニックの社会心理学
13 ジャン・ボードリヤール『消費社会の神話と構造』──システム社会の記号操作
14 ゲイ・タックマン『ニュース社会学』──客観報道のメディア・フレーム
15 ジョン・トムリンソン『文化帝国主義』──グローバル・メディアの影響力
Ⅳ メディア・イベントと記憶
忘却
16 ヴァルター・ベンヤミン『複製技術時代の芸術作品』──アウラの喪失と展示的価値の政治化
17 ジークフリート・クラカウアー『カリガリからヒトラーへ』──ワイマール共和国期映画の心性史
18 ダニエル・ブーアスティン『幻影の時代』──ニュースを製造する疑似イベント
19 ダニエル・ダヤーン&エリユ・カッツ『メディア・イベント』──歴史をつくるメディア・セレモニー
20 マーレー・エーデルマン『政治の象徴作用』──政治の舞台としてのメディア
Ⅴ 公共空間と輿論
世論
21 ウォルター・リップマン『世論』──疑似環境とステレオタイプ
22 ユルゲン・ハーバーマス『公共性の構造転換』──ブルジョア的輿論の理念史
23 エルザベート・ノエル ノイマン『沈黙の螺旋理論』──世論形成過程の社会心理学
24 ジョシュア・メイロウィッツ『場所感の喪失』──電子メディアの社会的衝撃力
25 ロバート・D・パットナム『孤独なボウリング』──社会関係資本とテレビ視聴
Ⅵ 情報社会とデジタル文化
26 キャロリン・マーヴィン『古いメディアが新しかった時』──メディア考古学の思考法
27 フリードリヒ・キットラー『グラモフォン・フィルム・タイプライター』──総力戦体制のメディア系譜学
28 ヴィレム・フルッサー『テクノコードの誕生』──ポスト真実のコミュニケーション学
29 マーシャル・マクルーハン『メディア論』──人間の拡張の諸相
30 ピエール・バイヤール『読んでいない本について堂々と語る方法』──ゆるやかな教養のメディア論
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

politics

4
メディア史研究者である著者の手によるメディア論の名著解説。取り上げられているテクストについて著者自身の見解も多く含まれており、佐藤メディア史学を知る上でも有益だろう。取り上げられているものもマクルーハン、ハーバーマスといった有名なものから、あまり知られていないものまで満遍なく取り上げられている。2020/12/18

古戸圭一朗

3
ただの名著の要約と思って読んだとしたら、いい意味で裏切られるだろう。佐藤卓己氏が、それぞれの名著とどのように出会い、自らの血肉にしていったのか。その過程とともに、驚くべき密度の高さで各書のコアが示される。最後に「書物について語ること」について、バイヤール『読んでいない本について堂々と語る方法』を取り上げているのも、締めとして面白い。2021/07/01

ぽん教授(非実在系)

2
名著解説をしながら、著者本人の主観的な部分や自伝的な部分も結構描いているという点で非常に興味深い。ハーバーマスやベンヤミンなどの左翼的硬直性や、キットラーやマクルーハンなどの非実証性的文章には素直に嫌悪感を示すなど、なかなかに挑発的な箇所も多いため、そこに著者の人間性を垣間見ることができる。2020/12/03

静かな生活

1
Review Scores 75/1002024/04/12

n_2_d_6_m_0_p_1

1
もちろんタイトル通りに読むこともできるけど、それよりもこの本が貴重なのは、紹介されている各作品に筆者が初めて接した当時どのような立場にいたのか、はたまた論文執筆・出版で再読するにあたりどのように読んだのか等、葉は「メディア論の大家佐藤卓己はどのようにして作られたのか」を本人が詳細に教えてくれていること。物凄く贅沢な一冊。想定外に良い読書体験ができました。2022/02/10

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