内容説明
「これからも満ち欠けをくり返すなかで、ひとを愛し、つれづれにこの世の色や音、美酒を味わい楽しみ、今ここ、を生きて句をつくり、歌をうたって歩いてゆきたい」(あとがきより)
川柳総合誌「川柳マガジン」主催の「第15回川柳マガジン文学賞」大賞受賞記念出版。川柳界の芥川賞と呼ばれる同賞で大賞を受賞した著者が、受賞作品10句を含む代表作品を掲載。
【第15回川柳マガジン文学賞大賞受賞作品】
白衣着る天使ではなく人として
泣きむしのナース泣く場はわきまえる
いのちを守るチーム茶髪もおばちゃんも
傷つけるだけにはすまい針を刺す
毒になる薬くすりになれる毒
死に近い場所で際立つ生きる意味
いのちには教えてもらうことばかり
生きて死ぬ人みなひとの手をかりて
重々しくも軽々しくもない看取り
白衣ぬぎその日の味の酒をのむ
目次
第十五回川柳マガジン文学賞大賞受賞作品「白衣着る」
この世の色
―カラフル
満ち欠ける月
―流転
通奏の愛
―おんがくのある風景
今、ここを生きて
―今、ここを生きる
つれづれに
―ありのまま
―アンバランス
あとがき