内容説明
如何にモテるか――それだけをこの胸に問い続けて、今日まで生きてきた。この本の主成分は、これまで恋に関して沈黙するしかなかった有象無象たちの涙なのだ。
「有象くん」と「無象くん」というフツーの男子大学生をはじめ、女の子たちをめぐりもろもろ事件が起きる春夏秋冬のエピソードが綴られる連作短編集。「イケメンくん」に「二番手くん」「ダンベル先輩」「抜け目なっちゃん」、「都合良男先輩」などキャラクターを強調された登場人物たちの悲喜こもごもが描かれる青春ストーリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆいまある
90
女性に翻弄される男子大学生を描く短編集。素晴らしい語彙の多さとリズム感。だのに何故。「流」があれだけ面白かったのに、こちらはライトだけど薄味。靴のブランド、香水のブランド、車の車種がきちんと書かれているところは好感度高し。2023/03/26
桜もち 太郎
12
主人公は大学生のイケてない有象君と無象君。連作の短篇集であるが、どの物語も二人のイケてなさ満載だ。有象無象とは世にたくさんある、くだらないものだ。しかし彼らの青春はけしてくだらないものではない。なぜならイケてないなりに一生懸命だからだ。そんな彼らを馬鹿にすることはできない。イケてる女も出てくるが、少しも魅力的ではない。唯一良かった女性の名前はビッチちゃん。実は彼女こそ真の意味でイケている。「人生は笑い事ではない。だからこそ笑いが必要なのだ」人生を達観しているようだ。軽くスラスラ読める一冊だった。2022/05/20
miu
11
大学生の有象くんと無象くん。イケメンくんにモテスギくん、ビッチちゃんに抜け目なっちゃん!あの『流』を書いた東山氏?!学園コメディー、楽しすぎた。ぼんやりした大学生活だったものどから、こんなキャンパスライフうらやましい。ぁぁ面白かった。2021/01/09
S.U.
6
大学生たちのありがちな1年間を描いた連作短編コメディ。ありがち過ぎて、登場人物に名前すら与えられず『有象くん』『無象くん』『本命ちゃん』『イケメンくん』となっていて面白い。『ビッチちゃん』に男子学生たちが翻弄されまくる話『ビッチと呼ばないで』が一番面白かったかなと思います。スマホやSNSが普及して学生達のライフスタイルが変わっても変わらないものってあるのね。東山彰良さんの作品は重めの作品が多い印象だったので、作風の違いに驚きましたが、軽い気持ちで読み始め、軽い気持ちで読み終える事が出来る息抜き本でした。2024/01/15
terukravitz
4
★★★☆☆2020/11/23