内容説明
昨今ブームが再燃している講談の世界について、講談師で人間国宝の神田松鯉先生に解説していただきます。
講談と落語の違い、講談自体の魅力、講談師の世界、歴史、演目、講談をもとにした川柳など、
知っているようで知らない講談の世界を解説していただくことで、
はじめて講談を聞く人、講談をもっと楽しみたい人に役立つ一冊になっています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
52
子供の頃、演芸番組を見ていて浪曲、講談よりも落語。落語よりも漫才の方が面白く感じました。講談の印象を変えたのは田辺一鶴先生でした。先生の創作「東京オリンピック」は、すごい迫力でした。時が流れて、著者松鯉先生の弟子である伯山が、再び講談を陽のあたる場所に戻しました。講談の面白さは、読み聞かせにあると思います。講談師の語りのリズムは、時に音楽のように響いてきます。好みは様々ですが、語りは生き物です。その違いがとても楽しいのだと感じています。2020/12/26
Sumiyuki
8
500のネタを持つ人格者。修羅場調子。関西弁も七五調のような気がしてきた。本牧亭の看板は遠藤周作の筆だったとのこと。真打披露パーティにてストリップが行われ、翌日の朝刊にのちの人間国宝の顔よりもストリップの写真を大きく載せた産経新聞。昔は一般紙にもヌードがあったのかしら。それとも産経だからなのか。天保の改革にて寄席は減らされたが、すぐに復活。@迫力が勝負。講談の唯一最高の魅力は“迫力”ですから。2021/06/29
西澤 隆
6
神田松鯉先生による講談の解説はそもそもの「落語とどうちがう?」「どこで見られる?」から、講談そのものが長く不遇を託っていた時代も包み隠さず話し、大きく栄えた江戸から今に至るまでの名人も紹介する至れり尽くせりの一冊。「マイナビ」で「人生を豊かにしたい人のため」とあるのでもうこれはコテコテのインスタントなガイドブックかと思えば、松鯉先生の講談への愛着がたっぷりと伝わってくる、江戸なたたずまいの一冊。難しいこと知らないとシロウト扱いするよってハードルの高さもない。いい本です。それにしても伯山、大事にされてるなあ2024/02/09
めっかち
3
「講談入門」とでもいうべき好著! これが講談調……なのかはわからないが、非常に読みやすい。2024/05/28
玉瑛
3
落語と講談の違いから書くという、素人に寄り添った書きぶりで大変興味深く読めた。発売記念のインタビューを見ると、老人向けの目的があったようで、そのおかげか文字が大きめで読みやすかった。説明も丁寧でわかりやすく寄席の情報まで書いているのは細やかであり、文化の振興を願っているのだと感じた。2022/03/29